【ストレスチェック制度とは?】 チェック項目と結果の見方について

ストレスチェック制度とは

ストレスが原因でうつ病や適応障害と診断され、会社を辞める社員は年々増加傾向にあります。このような背景から、ストレスによってメンタル不調をきたすことを防止するために制度化されたのが、ストレスチェック制度です。

この記事ではストレスチェック制度のチェック項目や結果の見方について紹介します。ストレスチェックをこれから実施予定のご担当者様、また、ストレスチェックで高ストレスだった方はぜひご参考ください。

(※ストレスチェックを手間なくカンタンに!精神科産業医が開発する従業員支援のためのストレスチェック⇒資料を見てみたい

目次

【ストレスチェック制度とは?】労働安全衛生法の規定

ストレスチェック制度とは

ストレスの軽減は、うつ病予防や社員の健康を維持するための大きな課題です。しかし、病気のように血液検査や健康診断で数値として示されるわけではありません。普通に過ごして仕事をしているだけでは、社員や自分自身にどのくらいのストレスがかかっているのかを深く知ることは難しいといえます。

そこで、実施されているのがストレスチェック制度です。ストレスチェック制度とは、質問表などを用いて「労働者のストレスがどのような状態にあるか?」を調べる方法のことです。

2014年に創設・改正された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」の第66条の10に該当する、50人以上の労働者を抱える事業者において年に一度の実施が義務付けられています。

制度目的としては、労働者が抱えるメンタルヘルスの不調を未然に予防することや、ストレスの少ない労働環境を作り出すきっかけとすること、そして、本人のストレスに対する気づきを与えることなどです。

ストレスチェックのメリットとして、うつを予防して、健康な労働者が働けるようにストレスと向き合う場を事業者が用意できることが挙げられます。企業としてもうつ病などのメンタル不調によって人材が不足するのは避けたいところです。

ストレスチェック制度は、それ自体がストレスを避けることのできる方法ではありませんが、ストレスの状態を知り、本人が適切な処置を取れるようにした簡易な調査方法といえます。

➢ 健康診断と異なる点

健康診断

ストレスチェック制度は問診票のような質問票に回答させるという点で健康診断を連想させますが、実際は健康診断とは大きく異なります。まず、基本的に健康診断は労働者に対して義務化されており、法的に必ず受ける必要があります。

しかし、ストレスチェックの場合は、労働者に義務はありません。事業者は調査を強制することができず、受けたくない場合には労働者は受検を拒否することも可能です。

そして、企業側はその人に対して人事的な強権を発動することも許されていません。あくまでも事業者が毎年実施するという企業の義務です。

また、ストレスチェック制度が健康診断と異なる点はもう一つあります。それは、健康診断が事業所へ診断結果が報告されるのに対し、ストレスチェック制度は本人が了承しない限り公表も報告もされないという点です。

どのようにしてそのような取り扱いができるのかといえば、ストレスチェック制度は事業所全体が主体となって行うのではなく、担当者を決めて実施するからです。つまり、担当者と本人以外にストレスチェック制度の調査結果を知られることはなく、担当者は事業所にも個別の情報としても一切開示することはできません。

実施者は医師保健師公認心理師などの医療職が基本であり、企業の社員など素人が勝手に行うことはできません。実施事務従事者には人事権を持たない社員が任命されます。

ストレスチェックの実施者や実施事務従事者の役割の違いについて、ご関心のある方は下記記事をご参照ください。

【ストレスチェックで測定する3項目】

ストレスチェック項目

ストレスチェック制度には、①「ストレスの要因に関する項目」、②「心身のストレス反応に対する項目」、③「周囲のサポートに関する項目」に評価点を付けて、そのうえで合計評価を決めるようになっています。

これは職場のストレスについて、アメリカ労働安全衛生研究所(NIOSH)が提唱した下記のようなモデルが参考にされています。下記のモデルのうち、①「職場のストレス要因」、それによって生じる②「ストレス反応」、その影響関係を緩和する要因である③「周囲のサポート」をそれぞれ測定したものがストレスチェックだといえるでしょう。

NIOSHの職業性ストレスモデルとストレスチェック
NIOSHの職業性ストレスモデルのうち、ストレスチェックが測定するもの

ストレスチェック制度を始めるにあたっては、さまざまなことを事前に決めておく必要があります。例えば、以下のようなことが挙げられます。

  1. 誰に対して質問を行うのか
  2. 担当者を誰にするのか
  3. 質問票の具体的な項目はどうするのか
  4. ストレスの高い人をどう判断するのか
  5. 面接指導の申し出や実施を誰にどうやるのか
  6. 調査結果の保存はどうするか
  7. 集団分析はどうするか

これらは取り決めて社内規定に明記し、ストレスチェック制度に関わる人や受ける人に公にして周知させておくことが大切です。実施に必要なことが決まれば、具体的な部分も詰めることができるでしょう。

【ストレスチェック結果の読み方】

ストレスチェック結果

ストレスチェック制度は、先述の通り評価点などにしてチェックし、高ストレスなら医師による面接指導が必要となります。そこで、ストレスチェック結果の見方は、「ストレスプロフィール」として示されるグラフでチェックします。

高いゾーンと低いゾーンに分けられており、その枠から低いゾーンに評価点があるのか、高いゾーンに評価点があるのかで見分けます。ストレスの高い範囲は評価点の低いグラフの中心に近づくほど強くなり、評価点が高く中心から離れるほどストレスは低いと判断されます。つまり、項目の評価点が高く、中央から距離を取るほどストレスが低くて正常な結果となるのです。

特に2つ目の項目である「心身のストレス反応に対する項目」の結果は、すでにストレスがある前提でどのように心身に影響を与えているかを見ます。ストレス反応についての項目が多く当てはまるほど評価点が低くなり、不安感やイライラ感、疲労感、活気、身体愁訴など6つにそれぞれ広がるグラフでストレスが高いと判断されるのです。

ストレスチェックでは個人の判定のほか、部署などグループ分けを行ったうえでストレス傾向を把握する集団分析が実施可能です。集団分析の詳しい実施手順や結果の読み方、職場環境改善への活用事例については、以下のまとめ資料をご参照ください!

【まとめ】

ストレスチェック制度は事業者に義務化されているメンタルヘルスを重視するための調査で毎年欠かすことのできないものです。しかし、実施にはさまざまな取り決め、手順を把握し、質問を配って本人に結果を知らせる必要があります。

そのうえで、高ストレス者には産業医による面接指導やストレスマネジメントセミナーを案内するなど、ストレスを自覚してもらい、必要な措置を講じるわけです。うつ病や適応障害の予防を実現するためにも、地道な調査と措置の実施が有効なのです。

フェアワークでは、元・参議院の産業医が開発したストレスチェック「Fair-lead」を提供しています。受検方式が柔軟に選べるだけでなく、高ストレス者への面接指導やストレスマネジメントセミナーまで、企業文化に合わせた最適なご提案ができるため、今年のストレスチェック実施の際には、どうぞお気軽にご相談ください。⇒無料で相談してみる

この記事をシェアする!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次