ストレスチェック義務化はいつから?【中小企業への罰則】

ストレスチェック義務化はいつから?【中小企業への罰則】

2014年6月に労働安全衛生法が改正され、ストレスチェックが義務化されたニュースが記憶に新しい方は多いでしょう。
しかし、義務と努力義務の差がわからず、「結局うちの会社はストレスチェックをするべきなの?」と疑問に感じている方も多いはず。

今回は、ストレスチェックの義務化について解説します。
ストレスチェックの義務が課せられていたにも関わらず、実施できていなかった場合の罰則や注意点にも触れるのでご参考ください。

目次

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、職場でのストレスレベルを可視化する調査のことを指します。

従業員にストレスに関する質問票(アンケート)に回答してもらう形式で実施されるのが大半であり、高ストレス者がいないか個人単位でチェックします。
万が一高ストレス者がいた場合、ストレス緩和・問題解決に向けて働きかける義務が課せられるので注意しましょう。

具体的には、産業医との面談・カウンセリングの推奨・職場環境の見直し・個人への聞き取りなどが求められます。現在も労働安全衛生法で実施が義務づけられている制度であり、働く人の精神的安定を支えるために重要な制度となっています。

2015年からストレスチェックが義務化している

ストレスチェックは、2015年12月から義務化されています。

業種・職種・企業規模・地域は関係なく、下記の義務化要件に該当する企業は全てストレスチェックを実施する必要があるため注意しましょう。

  • 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
  • その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

(※)引用:厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」より

つまり、パート・アルバイト・契約社員であっても、1年以上の労働契約が締結されてる場合はシフトの大小を問わずストレスチェックの対象となります。

また、現段階で1年未満の雇用契約であっても、契約更新により1年以上の就労実態が見込まれそうな場合はストレスチェック対象となるため注意しましょう。会社単位ではなく事業場単位で義務づけられているため、支店数の多い企業の場合、支店ごとに実施する必要がある点にも要注意です。

下記に該当する場合は、ストレスチェックの対象になりません。

  • 海外現地法人での勤務者
  • 休職者
  • 内定者
  • 派遣社員

ストレスチェックの実施タイミングで休職・内定・海外現地法人での勤務があれば、除外してよいでしょう。
派遣社員についても、ストレスチェック義務者となるのは派遣元であるため、派遣先企業で実施する必要はありません。

ストレスチェック義務に違反した場合は最大50万円の罰則金

ストレスチェックの義務要件を満たしているにも関わらずストレスチェックを実施しなかった場合、安全配慮義務に違反しているとして最大50万円の罰則金が課せられる場合があります。

安全配慮義務とは「労働者の生命・身体・心身の健康を保ちながら働けるよう職場環境に十分配慮すること」と定められており、ストレスチェックを未実施だった場合、心身の健康に配慮していないとみなされてます。
従業員に対する債務不履行を疑われ、会社側が罰則を受けるケースがあるので注意しましょう。

なお、ストレスチェックは実施するだけでなく、所轄の労働基準監督署へ報告する義務もあるので要チェック。「実施はしたが報告はしていない」「実施も報告もしていない」「虚偽の内容で報告した」など、いずれも罰則の対象となります。

中小企業が楽にストレスチェックを実施する方法

ストレスチェックが義務化されたといっても、通常業務に加えてストレスチェック業務が発生するとなると、大きな手間に感じることも多いです。

特に中小企業の場合、労務管理だけを担当する単独部署がないことも多く、総務・人事・庶務など既存の部門に負担がかかることもあるでしょう。
ここでは、中小企業でも可能な限り手間を削減しながら安全にストレスチェックする方法を紹介します。

ストレスチェックツールを活用する

ストレスチェックツールとは、ストレスチェックを簡易的に実施できるシステムのことです。

厚生労働省のマニュアルに準拠した質問項目を自動で生成してくれる他、圧着はがきやメールによる個別の案内やオンライン上での回答収集にも対応しているので、実施の手間がかかりません。

IDやPWも個別に配布してくれるためセキュリティレベルが高く、社内での情報漏洩対策も万全にできるのがポイントです。マークシートの記載漏れ対応など面倒な作業も要らず、必要最小限の手間でスピーディーに実施できることもメリットとして広がりました。

「なるべく手軽にストレスチェックしたい」という中小企業にこそ、おすすめのシステムです。

集団分析できるストレスチェックツールを使う

最低限の義務化に対応するだけでなく、本格的なストレスチェックをしたいときは、集団分析できるツールを使うのもおすすめです。

支店・部署・年代・役職などで従業員をグルーピングしながらストレスレベルを可視化できるので、職場環境の改善に役立てやすいのがメリット。
「営業部門のストレス値が他部署と比べて高すぎる」「若手のストレスレベルが高いので離職や休職が心配」などリスクを早期発見できるので、個別のフォローアップも叶います。

なお、ストレスチェックにおける集団分析は努力義務として設けられており、より質の高いストレスチェックをするのであれば必須の項目です。
ストレスチェックをエンゲージメント調査の一環として役立てる企業も増えているので、ぜひチェックしてみましょう。

産業医やカウンセラーと連携できるサービスを使う

ストレスチェックを実施するうえで特に負担となる項目として、高ストレス者への対応が挙げられます。

アンケート調査や回収自体にはそう手間がかからないように感じる企業でも、いざ高ストレス者が出たときの対応に迷ってしまうケースは多いもの。「産業医との面談と言われても、普段産業医とやり取りしていないので依頼の勝手がわからない」などの事情もあるでしょう。

産業医やカウンセラーと連携できるサービスであれば、いざ高ストレス者が出たときもスムーズに面談を案内できます。従業員満足度も高まりやすく、プロの目線からアドバイスしてもらえるので、カウンセリング経験のない企業でも安心。
職場環境で改善すべきポイントがないか、休職や復職に際しての注意点があるかなど、本部側の相談窓口になってくれるのもメリットです。

せっかくストレスチェックをするのであれば、その後の効果検証も含めて一元管理できる手法を探し、労働安全衛生に役立てましょう。

まとめ

2015年には既にストレスチェックが義務化されており、常時50以上の従業員を雇用し続ける事業所には必須の制度として定着しました。近い将来従業員数が50人を超えそうな場合、ストレスチェック対策も必須となるため注意しましょう。

フェアワークでは、従業員のメンタル状況や職務満足度の把握から高ストレス者への面接指導支援、・働基準監督署への提出書類作成までを可能にするワンストップサービス「Fair-lead」を提供しています。

よりストレスチェック業務を効率化したい方は、お気軽にお問い合わせください。

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