スマホで2分あれば答えられる、多忙な保育士の心身状態チェックに最適
のびっこ保育園
業種 | 保育園運営 |
課題 | 従業員のエンゲージメント向上 |
さいたま市認定のびっこ保育園は、さいたま市で0~2歳児対象の小規模保育所「のびっこ保育園ひよこルーム/うさぎルーム」、3歳児以上対象の「のびっこ保育園ナーサリールーム」を運営しています。
園長の表谷様は、シフト制である保育士スタッフとまとまった面談時間が取りづらく、心身状態の確認も含めたコミュニケーションが十分取れているのかどうか課題に感じられていました。
従業員サーベイ「FairWork survey」ご導入の経緯についてお話を伺いました。
(2023年10月24日 インタビュアー:フェアワーク広報)
━━FairWork surveyの導入前にあった、組織の課題について教えてください。
のびっこ保育園は、さいたま市で小規模保育所と非認可保育園を運営しています。
のびっこ保育園には職員があわせて26名います。保育園という性質上、職員は早朝から晩まで子どもたちに向き合う必要があり、数分という短い時間でも外すことがなかなかできません。
園長として職員たちの心身状態の様子を把握するために、短い時間であっても細かなコミュニケーションをとることを大切にしています。しかし、私も現場で子どもの保育に携わっていますので、なかなかじっくり職員と話す時間がとれない状態でした。
さらに、のびっこ保育園は建物の構造上、1階に小規模保育所(0~2歳児)が壁を隔てて2つ、2階に3~5歳児の保育所(ナーサリールーム)があるということもあり、私がすべての職員と、毎日顔をあわすことも難しいのが実情です。
入社面談では「どんな風に働きたいか」「何歳児クラスを希望するか」といったその職員の好み、人間関係の悩みまでしっかり聞くことができますが、いざ仕事が始まると、なかなかお互い腰を据えて話す時間が減ってしまいます。働き始めてからこそ出てくる悩みもありますし、それらを私一人で把握しきれないという課題がありました。
特に私が最も解決すべきものだと思っているのは、職員の人間関係です。保育の仕事は、保育士同士で密なコミュニケーションが取れないと、万が一の事故に繋がってしまう恐れがあるからです。
そのような状況のなか、産業医として数多くの企業を見られている吉田先生が従業員パルスサーベイを開発されたと紹介をうけ、スマホから1~2分でアンケートに答えることで職員の精神状態を把握できるので簡単そうだなと思い、導入を決めました。
━━「FairWork survey」を導入してから、印象に残っている
従業員さんからの回答を教えてください。
「FairWork survey」は導入して3年目になります。「FairWork survey」は記名式の自由記述欄から、職員の様々な声を拾い上げることができます。
3年間「FairWork survey」を使い続けたことで、職員の回答に2通りの回答パターンがあることがわかりました。
一つ目は、自分自身のことを振り返るパターンです。例えば、子供との接し方をもう少し見直したいとか、体調を崩したのでもうちょっと体調面から整えたいなどの、意識が自分に向いている回答です。
二つ目は、他人が関係する課題を挙げているパターンです。職員同士のコミュニケーションがうまくいかないなど、自分一人では解決できない困りごとを報告しているものですね。これは、自分自身の改善点に加え、周囲に向けての希望と2つの側面が書かれるようになったと感じています。
実は先日、職員にパルスサーベイを利用した感想アンケートを取ったんです。
パルスサーベイを始めたことで、「もうちょっと頑張らなきゃいけないとわかった」「困ったときには仲間に相談しよう」「定期的に自分を見直せた」など園全体のことを考えられるようになったと答えた職員が多くいたんです。自由書式のコメント欄に、もっと園全体で深く考えたいことを書いてくれる職員もいました。
自分自身の心身状態へ意識が向くようになっただけでなく、この園をもっとよくするために何ができるのか、考えられるようになった職員が増えたことが、「FairWork survey」を3年間使い続けてわかった変化ではないかと思います。
━━「FairWork survey」を使ったことによる
組織改革やその後の変化の具体例を教えてください。
先日、不適切保育がすごくニュースになりました。例えば、食べるのが遅い子供にいつまでも食べさせるとか、口に入れない子供の口にスプーンでほいほいって食べさせちゃうことも不適切保育といえるのですが、保育士が意図せず、園児にそういった食べさせ方をしているときがあるんですね。
職員の保育士が「(不適切保育と言われる行動をしていても)その人に直接言えない」といった意見がサーベイのコメント欄にありましたので、ではこれをどう改善していくか、職員と一緒に考えたんです。
まず三つのボードを用意しました。一つ目のボードに不適切保育ってどういうことか。二つ目はどうして起こると思うか。三つ目はどうすればなくなると思うか。職員たちには各々ふせんに意見を書いて、それぞれのボードに貼っていってもらいました。
この取り組みをしたことで、職員たちがこれまで思っていたけどなかなか出せなかった意見が集まりました。結果、不適切保育といわれることをしてしまう原因としては、しっかり休息が取れていないことなのではといった、職員たちが自分たちで考えた意見がたくさんでてきたのです。
こういったことを起こさないように、保育士としてどのような取り組みができるかどうか、みんなで意見を出し合うことができました。次の対策としては、保育士はなかなかまとまった休みが取れないので「どうすればしっかり休憩を取れるか」などにフォーカスしていこうと考えています。
━━今後のびっこ保育園をどのように組織をよくしていきたいかなど、未来に向けた展望を教えてください。
人間には誰でも良い側面を持っていると思っています。その良い面を出せるか出せないかは環境にかかっていると感じます。
園長としての私の役目は、職員がいきいき働くことができる環境を整えることです。のびっこ保育園を開園した26年前から、手探りと感覚でコミュニケーションを取ってきましたが、「FairWork survey」を取り入れてからは感覚だけでなく、サーベイで可視化された結果をもとに職員と会話ができるようになったと思います。
職員側も「職場環境のことを考えてくれている」「意見を出せば一緒に考え改善してくれる」と職場に安心感を感じることができ、相乗効果を感じています。
今後もフェアワークの吉田先生や「FairWork survey」の力を借りて、子どもだけでなく、大人もより良く生きられるように、どんな人でも保育士としての使命を果たせる職場作りをしていきたいと考えています。