【従業員満足度(ES)とは?従業員満足度調査の主な指標とツールについて】
近年、従業員満足度(ES)の必要性が高まっており、指標やツールについてご検討中の担当者様は多いかと思います。
企業にとって従業員満足度(ES)はとても重要な指標ですが、中小企業だけでなく大手企業でも従業員満足度(ES)の施策が不十分で、従業員の離職コストの増加、顧客満足度の減少などが生じています。
なぜ、従業員満足度(ES)は離職や企業の業績に関係するのでしょう?
この記事では従業員満足度(ES)についてメリットや調査方法についてご紹介します。
【従業員満足度(ES)とは】
従業員満足度(ES)とは、社員の会社に対する満足度を示す指標のことです。
「Employee Satisfaction」と表記し、アメリカでは特に重視されている項目です。
アンケート調査を通して具体的な数値で満足度を測ることができます。従業員満足度(ES)の要因には、以下の項目が挙げられます
- やりがい
- 風土/経営方針に対する共感
- 対人関係
- 社会への影響力
- 職場環境、働きやすさ(ワークライフバランス)、福利厚生
まず「やりがい」は、社員が企業で働く際に、仕事に従事する感情に由来する概念です。
専門的にいえばハーズバーグの「二要因理論」のうちの「動機づけ要因(Motivator Factors)」に位置づけられます。
仕事での達成感や承認欲求、職務に関連した事柄が関係しており、仕事への満足感の大きな動機付けとなっているのです。
次に、やりがい以外の項目が「衛生要因(Hygiene Factors)」です。
これは仕事環境や待遇、経営方針などが影響し、業務態度に直結します。
環境要因としての要素が大きく、やりがいに比べると直接離職を急増させるものではありませんが、不十分だとマイナスに働く項目です。
社員のインセンティブやモチベーションにつながるため、従業員満足度(ES)とは決して切り離せない重要なものと認識しましょう。
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【従業員満足度(ES)を高めるメリット】
従業員満足度(ES)を高めることは以下の3つのメリットがあります。
①生産性の向上
従業員満足度(ES)を高めることは、社員のモチベーションや業務効率が向上し、生産性を高めます。生産性の高まりは、無駄な残業の減少や業績アップにもつながるため、多くの企業が目指している課題の一つです。
従業員満足度(ES)の高まりが生産性の向上を高める背景には、「満足度が低くて生産性の低い」会社に多い、業務の中にやりがい搾取ややりたくない業務を無理にさせているという社員を犠牲にした労働現場を醸成しているケースがあります。
当然、社員は体調を崩しやすくなり、うつや病気で仕事の負担は別の社員に行き、業務が滞りがちになり、作業効率を下げるのです。従業員満足度(ES)を高めるメリットは、自分たちの利益ばかり求める社長や経営者からすれば意外にも思える「生産性の向上」という効果が得られるのです。
②人材の定着や流出阻止
「衛生要因」でも述べたように、勤めている会社の職場環境や待遇が悪いと、人材が外部に流出します。とくに能力が高くスキルや経験を持つ人は、独立や転職を考えるのです。
そのため、従業員満足度(ES)の高まりは、そのまま人材の職務における定着や人材流出を防ぐのです。
給与や福利厚生のようにすぐに実感できるインセンティブはもちろんですが、経営方針に対する共感ができることや人間関係が良好なことなどは人をとどまらせる要因にもなりえます。そして、単純な効果として、人材流出を阻止できれば、教育コスト問題や社内のノウハウ流出問題も軽減できます。
優れた人材を自社にとどめることは、代えのきかない財産を得ることに等しいのです。それはどんな立派な土地や建物、経営の計画書よりも大事なことでしょう。
③顧客満足度の向上
従業員満足度(ES)を高めることは、顧客満足度を向上させることにもつながります。近年の経営研究では、従業員満足度(ES)を1%高めると、顧客満足度も0.22%向上すると指摘されています。
従業員を蔑ろにして役員報酬や配当利益を出す企業は、従業員満足度が低く、顧客満足度も低下するリスクがあります。従業員満足度(ES)の重要性を理解している企業ほど、「離職率が低く、業績が高い」という結果を残しているのです。
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【従業員満足度を上げるには?】
従業員満足度を高めるためには、低くしている要因を取り除き、従業員満足度調査でポイントの低い項目を上げる努力をすることが必要です。
例えば、経営方針などの項目で共感されない場合は、企業ビジョンの共有を優先して社内に浸透させます。広報や張り紙などさまざまな方法を使って共感する努力を企業側が行うわけです。
また、満足度調査以外にもアンケートや社員からの聞き取りなどで意見を収集し、実現させるような体制を作ることで会社の信頼度が高まります。特に職場環境の改善は従業員満足度を少しでも高めます。残業や過剰な業務量を押し付けられる職場はむしろ従業員満足度を下げてしまうのです。
さらに最近はダイバーシティ制度や育児・産休などの拡充、有給休暇や福利厚生など目の前のメリットや会社の将来性を重視する社員も少なくありません。
このように、従業員満足度を高めるためにできることを会社が主体となって進めるようにすれば、給料や働きがいだけを求めている社員の満足度も自然と高まるでしょう。
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【従業員満足度調査の方法】
従業員満足度調査は的確な質問表を作成するかによって正確な調査結果を得られます。例として、「やりがい」「仕事に対する感じ方」「満足具合」などを質問文にしてアンケート化します。やりがいなら「いまの仕事にやりがいを感じていますか?」に回答を1つ選ばせるなどです。
尺度は「該当する・しない」を「非常に」~「あまり」までの複数の選択肢を与えることで微妙な感じ方の差も統計的に区別できます。そのうえで、自由記述回答を加えることで、悩みなどに対する具体的な回答を得ることもできるでしょう。
また、調査の注意点としては、以下が挙げられます。
- 調査が1回きりにならないようにする
- 回答した人物が特定されないような質問表の回収や提出方法を提示する
特に提出方法は、回答が上司や人事に特定されると社員が本心を記載することを避けてしまい、建前の回答ばかりが集まって正確な情報が得られなくなります。
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➢ ツールを活用した従業員満足度調査の作成と準備
アンケートといえば紙の調査用紙を連想する人も多いですが、ペーパレスなデジタルアンケートも増えており、ツールを活用してアンケートの作成や準備をするケースも出てきています。
例えば、アンケートの作成から収集までを一括で行えるプラットフォームを提供しているサービスや人事関連のツールとしてアンケートを作成・配布でき、それをパソコンやスマホなどで回答を提出させるといったサービスなどです。
システムログインやアンケートの収集方法が簡易であるほど使いやすさが高まります。
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【まとめ】
本記事では従業員満足度(ES)のメリットや満足度を上げる方法について紹介しました。
従業員満足度(ES)は、やりがいや職場の環境、待遇などを改善することで満足度が向上し、調査アンケートを分析して改善策に取り入れるのが有効です。
その際、満足度の要因となる項目を取り入れ、実施するメリットを知ることで満足度を測るのに必要な調査ができます。アンケートの作成にツールを導入することでスピーディで最適な質問を作成可能です。
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