【朝ごはん食べないと太る?】朝食欠食率と生活習慣病の関係について

【朝ごはん食べないと太る?】朝食欠食率と生活習慣病の関係について

「朝ごはんを食べないと太る」という情報を目にする機会は多く、朝ごはんが健康な生活に欠かせない存在であることはご存知の通りです。

しかし、「朝ごはんを食べる時間的な余裕がない」「朝にお腹が空かないから食べなくても差し支えない」と感じる人も多く、朝食欠食率が話題になりました。

今回は、朝ごはんがなぜ大事なのか、改めて確認していきましょう。最新の研究から分かった生活習慣病との関連についても触れるため、参考にしてみてください。

目次

【朝食欠食率は12.1%に達している】

年代~6歳~14歳~19歳~29歳39歳~49歳~59歳~69歳70歳以上
朝食欠食率4.7%4.4%12.9%23.0%24.6%22.5%17.8%8.1%4.0%
(厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」より作成)

朝食欠食率は、働き盛りである20~40代に上昇する傾向が確認されています。

また、全年代での朝食欠食率は12.1%に達しており、朝ごはんを抜く人が決して珍しくないことが分かるでしょう。

上記の結果は、国民の健康づくりを支援する「健康日本21」でも問題視されています。20年前と比較して20代男性の朝食欠食率が20.1%から32.9%に大きく増加しているなど、近年の傾向を不安視する声もあがりました。

【朝ごはんを食べないことによるデメリット】

そもそも、なぜ朝ごはんを食べないことが問題視されているのでしょうか。

なんとなく不健康なイメージを持っていても、具体的な理由はよく知らない人は多いでしょう。

ここでは、2022年3月に発表された名古屋大学の最新の研究結果などをもとに、朝ごはんを食べないことによるデメリットを解説します。

➢ 生活習慣病のリスクが増す

朝ごはんを食べないことは、生活習慣病のリスクを増大させると指摘されています。

名古屋大学では「活動期における最初の4時間に食事を与えないマウスのグループ」と「通常通り食事をするマウスのグループ」とに分け、健康状態をチェックする実験をおこなっています。

結果として朝食欠食状態にあるマウスのグループでは、生活習慣病の前段階であるメタボリックシンドロームロコモティブシンドローム(運動機能の低下)が確認されました。

原因は、朝食欠食による筋肉重量の低下だとされています。筋肉がなくなることで運動しづらくなり、運動しづらくなることで体重が増える、という負のループができていると言えるでしょう。

その他、体温・肝臓機能・脂肪組織における体内時計に異常が生じるなど、さまざまな弊害が確認できています。

(参考:名古屋大学プレスリリース「朝食を食べないと、体重が増えるだけではなく、筋肉量も低下することを解明

➢ 糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが増す

朝ごはんを食べなかった場合、昼ごはん時の急激な血糖値の変化が問題視されています。

頻繁に血糖値が上昇・下降を繰り返していると、糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが増すため注意しておきましょう。

また、空腹時には通常通りの血糖値になることが多く、会社の健康診断ではなかなか見つけられないことも事実です。自覚症状がなく、長い時間気づかないままに血糖値が上下している可能性があることを知り、対策していく必要がありそうです。

(参考:日本医師会「食事のとり方で血糖値はこんなに変動します!」

➢ 集中力が低下する

朝ごはんを食べないことは、集中力・記憶力の低下にもつながります。

夜の間も動いている脳にエネルギーを供給するには、朝ごはんが欠かせません。万が一、エネルギー不足状態に陥った場合、体内に貯蔵されていたグリコーゲンを分解し、ブドウ糖に変換して活用します。変換のひと手間が加わるためエネルギー効率が悪く、通常のような集中力・記憶力を発揮することが難しくなるでしょう。

通常であればありえないミスをしたり、業務のパフォーマンスが落ちたり、さまざまなデメリットが現れます。パフォーマンスの悪さを残業や休日出勤でカバーするなど、無理な働き方をしてしまう人も少なくありません。

結果、睡眠時間が短くなり、朝起きられなくなり、さらに朝ごはんを食べる余裕がなくなるなど、生活習慣の乱れの悪循環にに陥ってしまうリスクがあります。

(参考:農林水産省「朝ごはんを食べないと?」

【従業員の朝食欠食を予防している企業事例】

従業員の朝食欠食を予防している企業事例

従業員の朝食欠食率が高いことは、企業にとっても大きなデメリットです。慢性的な栄養不足や生活習慣ので乱れは、プレゼンティーズム(体調不良によるパフォーマンス低下)につながるリスクがあるため、注意しておきましょう。

なかには、従業員の欠食対策のためさまざまな手段を講じている企業が存在します。下記では具体的な事例を紹介するため、参考にしてみましょう。

【株式会社マクロミル|SHUFFLE MORNING!】

大手インターネットリサーチ会社「マクロミル」では、SHUFFLE MORNING!を福利厚生として導入しています。

SHUFFLE MORNING!は出身地・居住地・学生時代の部活など共通項のある従業員が集まって朝ごはんを食べる取り組みであり、2015年に導入されました。

体調管理に役立つだけでなく、部門の枠組みを超えた社内コミュニケーションが生まるメリットもあり、働きがいの向上に貢献しています。従業員の健康を考えたオリジナルメニューが提供されるなど、朝食を準備する手間を削減している点も魅力でしょう。

(参考:「マクロミル、社内交流と健康促進を目的としたシャッフルモーニング!を開始」

【株式会社インヴァランス|焼きたてパン・社食サービスの提供】

不動産投資・マンション投資を手がける「インヴァランス」では、焼きたてパンや社食サービスの提供を実施しています。

「朝早く出社して仕事の効率化を目指す従業員を応援したい」という狙いもあり、早朝出勤した従業員向けの社内カフェをオープンしました。

また、100円から気軽に利用できる社食自販機を導入し、昼休憩以外のタイミングでも気軽に食事ができる工夫を凝らしています。朝ゆったり仕事をしながら食事が摂れる取り組みでもあり、業務効率化を優先したい企業と相性がよいでしょう。

(参考:株式会社インヴァランス「ENVIRONMENT」

【LINE株式会社|無料で朝食提供】

コミュニケーションSNSを提供する「LINE」では、福利厚生の一環として無料の朝食提供をおこなっています。

パン・おにぎり・フルーツなど多彩なメニューを取り揃え、見た目にも食欲をそそる工夫を凝らしていることがポイントです。提供メニューは季節ごとに定期的に入れ替わるため、毎日利用する従業員でも飽きずに楽しめるでしょう。クリスマス期にはドーナツやミニケーキが出され、社内コミュニケーションを生むきっかけにもなっています。

つい残業して夜に実施しがちなミーティングを朝に変更する部署がでるなど、働き方改革の面でも効果を発揮しました。自宅ではなく会社で朝食を摂るメリットが分かる事例だと言えるでしょう。

(参考:LINE HR BLOG「忙しい朝も朝食を食べて元気にスタート!

【まとめ】朝食欠食率を改善して健康増進!

朝ごはんを食べないことは、想像以上に心身への負担をもたらします。従業員の健康を守るためにも、業務パフォーマンスを向上させるためにも、自社の朝食欠食率を調査してみるのもよいでしょう。

フェアワークでは、従業員の健康状態の把握や、不調者を早期に発見して適切な支援を届けるための相談窓口など、企業文化に合わせた効果的な健康支援策をご提案しております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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