【コーポレートガバナンスコードとは?】2021年の改定について分かりやすく解説!

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2021年6月に、東京証券取引所などを有する日本取引所グループが改定コーポレートガバナンスコードを公表しています。

この内容が人的資本経営の考え方やISO30414に与えた影響は大きく、企業が採用する成長戦略の方向性にも変化が表れました。

今回は、コーポレートガバナンスコードについて詳しく解説します。

2021年に改定された内容にも触れるため、ご確認ください。

【コーポレートガバナンスコードとは?】

コーポレートガバナンスコードとは、「企業統治指針」と表現されることもあるガイドラインです。

株主・顧客・取引先・従業員・地域社会など、企業をとりまくありとあらゆるステークホルダーと望ましい関係性を築くためのガイドラインであり、組織のあるべき姿について言及されています。

企業の持続的成長中・長期的な企業価値向上のためには、コーポレートガバナンスコードに盛り込まれている内容を網羅すべきと考える経営者も少なくありません。

「現代社会において企業がどんなことを期待されているか」を読み解くきっかけにもなるため、上場の有無に関係なく目を通しておくことをおすすめします。

【コーポレートガバナンスコードにおける5つの基本原則】

コーポレートガバナンスコードにおける5つの基本原則

コーポレートガバナンスコードは、下記5つの基本原則で構成されています。

  1. 株主の権利・平等性の確保
  2. 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
  3. 適切な情報開示と透明性の確保
  4. 取締役会の責務
  5. 株主との対話

そこに原則・補充原則が連なる形で構成されていますが、まずは基本原則の理解を進めておきましょう。

①株主の権利・平等性の確保

企業にとって資本提供者でもある株主について、権利と平等性を確保するべきと定めた項目です。

株式市場でより高く評価される会社になるためには、株式に対するメリットを明らかにしていく必要があるでしょう。

少数株主の意見にも耳を傾けたり、株主の判断に役立つ情報を提供したりすることも大切です。

株主が権利を支障・遅滞なく行使できるよう配慮することも求められており、企業成長に必須の項目でもあります。

②株主以外のステークホルダーとの適切な協働

企業にとって特に株主が重要であるという見方をしたうえで、それ以外のステークホルダー(従業員・顧客・取引先・債権者・地域社会など)とも円滑な協働をすべきと定めた項目です。

近年、持続可能な開発目標(SDGs)が国連サミットで採択されるなど、企業のサステナビリティに関する注目度が上がってきています。

自社の利益のみならず、ステークホルダーの利益も追求しながら社会・経済全体にプラスの影響を与える企業こそ、株式市場で高い評価を受けることとなるでしょう。

③適切な情報開示と透明性の確保

取締役会・監査役・監査役会・外部会計監査法人など複数の目を駆使し、自社に関する正しい情報を最適なタイミングで公開するべきと定めた項目です。

財務情報・経営戦略など最低限の情報に加え、社会問題や環境問題に関する項目の公開も推進されています。

また、ISO30414に基づいた人的資本情報の開示にも注目が集まっています。

④取締役会の責務

取締役会は、下記の役割・責務を果たすべきと定めた項目です。

  • 企業戦略など大きな方向性を示すこと
  • 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備をすること
  • 独立した客観的な立場から経営陣・取締役に対する実効性の高い監督をすること

ここで指す「独立した客観的な立場」とは、監査役会設置会社・指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社などを表します。

いずれの機関を採用する場合でも、上記3項目は適切に果たすべきとされました。

⑤株主との対話

経営戦略・経営計画に対する情報共有および理解の促進をするため、株式との対話が重要だと位置付ける項目です。

日本版スチュワードシップ・コード(「責任ある機関投資家」の諸原則)策定があって以降、機関投資家のなかでは特に注目度の高い項目だと言えるでしょう。

資本提供者である株主の目線から経営分析できるよう、一方的な情報開示だけでなく相互コミュニケーションが需要だと定められました。

【コーポレートガバナンスコードの改定内容】

コーポレートガバナンスコードの改定内容

下記では、2021年に改定された部分に焦点を当てて解説します。

今後も時代のニーズに応じてコーポレートガバナンスコードは改定される可能性があるため、定期的に情報収集していくことをおすすめします。

➢ 取締役会の機能発揮

情報化社会において企業を取り巻く環境が刻一刻と変化するなか、取締役会による迅速かつ果断な意思決定をさらに強化する必要があると言及されています。

具体的には、下記の改定内容が盛り込まれました。

  • プライム市場上場会社において、独立社外取締役を3分の1以上選任する
  • 経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル(知識・経験・能力)と、各取締役のスキルとの対応関係の公表する
  • 他社での経営経験を有する経営人材を独立社外取締役へ選任する
  • 指名委員会・報酬委員会を設置する

取締役会に優秀な人材を揃え環境を整備することで、企業成長の可能性が上がると示しています。

➢ 企業の中核人材における多様性の確保

管理職・技術職など自社の中核を担う人材に、多様性を確保するべきとした項目です。

  • 管理職における多様性の確保(女性・外国人・中途採用者の登用)についての考え方と測定可能な自主目標の設定
  • 多様性の確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とあわせて公表

コーポレートガバナンスコードが情報開示すべきとした「人的資本」のなかにも、ダイバーシティリーダーシップに関する項目が含まれています。

国際競争力を持つイノベーション企業になるためにも、必須の項目だと言えるでしょう。

➢ サステナビリティをめぐる課題への取り組み

気候変動・環境保全などサステイナビリティに関する重要性も強調されています。

  • サステナビリティについて基本的な方針を策定し、自社の取組みを開示
  • プライム市場上場会社において、TCFD又はそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示の質と量を充実

TCFD(=Task Force on Climate-related Financial Disclosures)とは、金融安定理事会(FSB)が設立した「気候関連財務情報開示タスクフォース」のことです。

気候変動がもたらすリスクおよび機会の財務的影響を把握し、開示するためのガイドラインと言えるでしょう。

TCFDを活用して情報開示している企業は増えており、SDGsへの取り組みとしても有効性が確認されています。

➢ その他個別の項目

上記いずれにも当てはまらない項目についても、今回の改定で新たに盛り込まれています。

  • 上場子会社においては、独立社外取締役を3分の1以上(プライム市場上場会社においては過半数)選任又は利益相反管理のための委員会の設置
  • グループ全体を含めた適切な内部統制や全社的リスク管理体制の構築と運用状況の監督 など

より高次な企業ガバナンスを徹底するため、どちらも欠かせない項目と言えるでしょう。

健全・優良かつ成長可能性の高い企業として名を馳せるには、さまざまな視点が必要だとわかります。

【まとめ】

コーポレートガバナンスコードは、企業の持続的な成長中・長期的な企業価値の向上を目的として定められたガイドラインです。

情報開示すべき項目や企業側が注視すべきポイントが多く盛り込まれているため、経営戦略立案の際にはぜひ目を通してみるとよいでしょう。

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