【従業員エクスペリエンス(EX)とは?】評価方法と事例について解説!
カスタマーエクスペリエンス(CX=顧客体験)の対となる言葉として、「従業員エクスペリエンス(EX)」があることをご存じでしょうか。
生産性向上や離職防止を考えるうえで欠かせない視点になりつつあり、近年は従業員エクスペリエンスの観点を人材育成に活かす企業が増えています。
今回は、従業員エクスペリエンスを測る評価指標について解説します。
実際にどんな手法で従業員エクスペリエンス向上を図っているのか、企業事例もピックアップするため参考にしてみましょう。
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【従業員エクスペリエンス(EX)とは?】
従業員エクスペリエンス(Employee Experience=EX)とは、その名の通り「従業員の体験」を指す言葉です。
自社で働くにあたって、どんな体験ができるかを指標化したものだとイメージするとよいでしょう。
一般的に、得られる従業員エクスペリエンスが理想に近い企業の方が、離職率が低く生産性も高いとされています。
「他の企業では味わえない特別な仕事ができる」
「顧客から直接喜びの声を聞くことができ、自分の働きが役に立っていると実感できる」
など多彩かつ有意義な体験ができる企業は、従業員から指示されることも多くなるでしょう。
結果的に従業員エンゲージメントや従業員満足度の向上に寄与することも多く、人的資本活用の最大化を図るときにこそ必要な指標だと言えます。
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【従業員エクスペリエンスの評価方法:エンプロイージャーニーマップ】
従業員エクスペリエンスを評価・可視化する代表的な手法として、「エンプロイージャーニーマップ」が挙げられます。
エンプロイージャーニーマップは、入社から退社までの時系列ごとに得られた従業員エクスペリエンスを書き出し、それに対する気持ち・満足度を書き加えていく手法です。
どんな経験をしたときに従業員エクスペリエンスが向上するか(もしくは低下)するか可視化できるため、従業員エクスペリエンス施策考案時に役立つでしょう。
下記では、エンプロイージャーニーマップの作り方を紹介します。
①入社から退社(現在)までをフェーズごとに書き出す
まずは、入社から退社(現在)までの流れをフェーズごとに書き出します。
代表的な例として、下記を参考にしてみましょう。
- 入社
- オンボーディング
- 配属
- 業務開始
- 育成・評価
- 退職
自社内での歩みは、人ごとに異なります。
なかには複数の部署を異動して現在にいたる人もいれば、一度退職してから再度入社した「出戻り転職」の人もいるでしょう。
自分のキャリアを棚卸ししながら書き出していくことがポイントです。
②本人が期待していることをフェーズごとに書き出す
前項で書き出したフェーズごとに、本人が期待していること(期待していたこと)を書き出します。
例えば入社のとき、「自分の能力を活かせること」を期待する人が多いでしょう。
オンボーディングのときは「わかりやすい説明で業務のイメージがわくこと」「長く支えあえる同僚をつくること」などが挙げられます。
それぞれのタイミングでどんなことを期待していたか思い出せば、実際にマッチしていたか振り返るときに役立ちます。
マッチしていれば従業員エクスペリエンス向上のきっかけとして、マッチしていなければ要改善ポイントとしてピックアップできるのです。
取り繕わず思うがままの本音を書くよう、意識してみましょう。
③実際に起きたこと、それに対する気持ちを書き出す
前項で書き出した理想像と、実際に起きたこととのギャップを書き出します。
「自分の能力を活かせると感じられること」を期待して入社したときに、経営層から直接「〇〇さんに期待しています」と声をかけてもらうことができれば、よりモチベーションは上がるでしょう。
頑張るぞ、と決意を新たにすること自体が貴重な従業員エクスペリエンスであると分かります。
一方、「顧客の意見を反映しながらより支持される製品づくりをすること」を期待していたにも関わらず、「顧客の声を直接聞ける機会がなくニーズにあっているか不安に感じることが多かった」場合、期待していたような従業員エクスペリエンスが得られていないと分かります。
理想と現実のギャップがあったか、万が一ギャップがあった場合現在は無事に解消できているか、ひとつずつ整理していくとよいでしょう。
その‶ズレ″こそ、次項で解説する改善施策につながります。
④従業員エクスペリエンス向上のための施策を考える
理想と現実のギャップがあった場合、どうすれば改善しそうか考えてアイディアを出してみましょう。
個人の振り返りとしてアイディアを出すことも、これまで作成したエンプロイージャーニーマップを回収して人事や経営層で施策を考案することも有効です。
配属時の不満にはタレントマネジメントシステム導入による「適材適所」の配置、業務量の多さによる残業・休日出勤にはデジタルツールやリモートワークの導入など、多彩な施策が考えられるでしょう。
手段が目的にならないよう、「どんな目的で・誰の従業員エクスペリエンスを高めたいのか」を意識すれば、より効果的な施策となります。
実際に施策に効果があったかどうかの指標として、組織サーベイなどを活用し、定点的に従業員の声やコンディションを把握することも有効でしょう。
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【従業員エクスペリエンス(EX)向上に取り組む企業事例】
世界的企業のなかには、従業員エクスペリエンスに着目し専門チームを置いているケースが珍しくありません。
下記では、代表的な事例を紹介します。
日本企業でも導入が広がっているため、参考にしてみましょう
➢ Airbnb社
サンフランシスコに本拠地を置くバケーションレンタル会社Airbnbでは、「エンプロイーエクスペリエンス部門」を設置し社内環境の整備を担っています。
労務手続きなど入退社にかかわるルーティンワークはもちろん、従業員の悩みごと・困りごとなどありとあらゆる内容に対処することが特徴です。
実際にAirbnbのHPには、エンプロイーエクスペリエンス部門に関する下記のような記載がされています。
「社員の面倒をいろいろと見る部署です。
ヘルシーで美味しいおいしい社食の献立を組むのも仕事。
最新テクノロジーを揃えるのも仕事。
ベスト&ブライテスト(超一流)な人材を引き抜くのも仕事。
社屋が最高の職場環境になるよう手配するのも仕事。
エンプロイーエクスペリエンスチームは、Airbnbの面倒をまるごと見る総務部です。」
(引用:Airbnb求人情報「人事 (エンプロイー・エクスペリエンス)部」より)
シェアリングエコノミーの世界的大手企業として成長した背景には、従業員エクスペリエンスに着目した徹底的な対策があると言えるでしょう。
➢ Adobe社
カリフォルニアに本拠地を置くソフトウェア会社Adobeでも、同様に「エンプロイーエクスペリエンス部門」を設けました。
世界6大陸60以上のオフィスで働く従業員の満足度やエンゲージメントに着目し、誰であっても働きやすい環境になるよう工夫されています。
AdobeのHPでは、エンプロイーエクスペリエンス部門の働きについて下記の通り紹介されています。
「社員を大切にすることが、エンプロイーエクスペリエンスチームの最大の仕事です。
さらに多様性に富み、インクルーシブで働きがいのある職場になるように力を貸してください」
(引用:Adobe「エンプロイーエクスペリエンスのキャリア」より)
文化・宗教・国籍などが異なる多様な従業員がいるからこその働きかけであり、従業員エクスペリエンス施策に成功しているからこそさらにボーダレスな採用ができるようになっているのです。
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【まとめ】
従業員エクスペリエンスを向上させることは、生産性向上・離職率低下に貢献します。
評判がよくなれば優秀な人材を確保できるなど、よい循環が生まれるでしょう。
Fairworksurveyは、従業員エンゲージメントや心理的安全性を可視化する組織サーベイツールです。
従業員の本音を知り企業経営に活かしたいときには、ぜひご活用ください。
フェアワークでは、精神科産業医・公認心理師をはじめとする専門家チームが、企業の健康経営推進をご支援いたします。
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