【エッセンシャルワーカーとは?】用語の意味や職種一覧
新型コロナウイルスの流行に伴い、「エッセンシャルワーカー」という単語を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
エッセンシャルワーカーが不足すると社会の機能が大きく損なわれるとされており、健康面・精神面ともに手厚いサポートが必要とされています。
今回は、エッセンシャルワーカーの意味・概要を紹介します。
具体的な職種にも触れますので、自社で働く従業員や普段関わることのある職種をイメージしながら目を通してみてください。
【エッセンシャルワーカーとは】
エッセンシャルワーカーとは、人々の生活や社会機能の根幹を支える仕事に従事している労働者のことを指します。
「Essential=(=絶対に必要・極めて重要)」という言葉が冠されている通り、欠けてしまうと大きな損失になる仕事のことだと言えるでしょう。
職種を分ける表現として「ブルーカラー」「ホワイトカラー」など働く現場別の分類も存在しますが、エッセンシャルワーカーは社会的機能の面から見た分類です。
【エッセンシャルワーカーの代表例】
ここでは、より具体的なイメージをするためにエッセンシャルワーカーの代表例を紹介します。
どんな職種がエッセンシャルワーカーに含まれるか理解できれば、ケアの重要性が分かるでしょう。
1. 医療従事者
医師・看護師・救命救急士・診療放射線技師・助産師・薬剤師など、医療職種はエッセンシャルワーカーの代表例として知られています。
人の命に関わる専門職であり、ときには予測できないタイミングでの怪我・病気に柔軟に対応しなければいけないことから、貴重な人材とみなされています。
また、医療のスペシャリストになるためには長い教育機関が必要であり、即座に代えが効かないこともエッセンシャルワーカーたる所以だと言えるでしょう。
2. 介護従事者
介護士・ケアマネジャー・ホームヘルパーなど介護に関する仕事に就いている人も、エッセンシャルワーカーです。
高齢化社会に伴って介護ニーズが増えている昨今、介護要員の確保は大きな課題とされています。
万が一介護人員が足りなくなった場合、人の手や目が行き届かず、重要な事故につながる恐れがあるでしょう。
3. 公務員
行政サービスを滞りなく提供する公務員も、社会機能を円滑に動かすために必要な存在です。
役所機能を回すための都道府県職員・市区町村職員はもちろん、警察・消防・自衛隊なども含まれます。
住民の生活に直接関わる仕事であるため、万が一公務員として働く人が少なくなってしまった場合、社会機能が大きく損なわれます。
4. 小売業・販売業従事者
スーパー・ドラッグストア・コンビニエンスストアなど、生活必需品を販売する小売業・販売業も欠かせません。
2020年の春に1度目の緊急事態宣言が発令された際、小売業や販売業が逼迫しているニュースが出たことが記憶に残っている方も多いでしょう。
なかには商品の販売だけでなく地域に密着した販売・宅配ルートを持っており、地域を見守る存在となっているケースもあります。
5. 運送業従事者
スーパーなど小売業・販売業へ欠品なく商品を届けたり、医療機関や介護施設に漏れなく必需品を届けたりするために、運送業の存在は欠かせません。
また、ネットショッピングの普及により個人宅への配送も増えており、もはや生活を支える重要なインフラになっていることは間違いないでしょう。
また、電車やバスなど公共交通機関を支える人・船や飛行機で物の流通を支える人もエッセンシャルワーカーです。
6. 農業・漁業従事者
人々の食を支える農業・漁業従事者も、貴重なエッセンシャルワーカーです。
生活に必須である衣食住を支える存在であり、毎日を生き抜くエネルギーの担い手だと言えるでしょう。
近年は農業・漁業でもIoT化が進んでいますが、人の手を完全にゼロにすることは難しく、エッセンシャルワーカーがいないと成り立ちません。
都心に住んでいると普段直接関わる機会の少ない職種ではありますが、生産者がいてこその食事だと思えば大切さが分かります。
7. 教育・保育従事者
小・中・高校の教員や保育士など、子どもの教育に関わる仕事も重要です。
10年後20年後の未来を背負う存在だと考えれば、長い目で専門家による教育を施していくことが不可欠だと言えるでしょう。
休校・休園によるダメージは大きく、万が一円滑な運営ができないとなると社会的な損失につながります。
近年は働く親が増え、休校・休園によって仕事を休まなくてはいけなくなる労働者が増えています。
普段は学校や保育園が、子どもを安心して任せられる場として機能しているからこそ働けている人も多いでしょう。
8. インフラ事業従事者
電気・ガス・水道など、生活に欠かせないインフラを維持・管理する人もエッセンシャルワーカーです。
近年は上記3つに加えてネットワーク保守もライフラインに欠かせないとされており、通信障害による損害が注目されるようになりました。
インフラは、家庭単位でも企業・行政単位でも欠かせません。
普段当たり前のように使えている資源も、裏で誰かが24時間体制で見守ってくれているからこそだと分かります。
【エッセンシャルワーカーの働きやすさに必要なこと】
ここでは、エッセンシャルワーカーが働きやすい環境づくりに向けた施策や、エッセンシャルワーカーを目指す若手人材が増えるための施策を探っていきます。
エッセンシャルワーカーの働きやすさとは何か、改めて考えるきっかけにしてみましょう。
➢ メンタルヘルスケアを手厚くする
エッセンシャルワーカーは社会機能に欠かせない存在であることから、大きなプレッシャーがかかる仕事として知られています。
重大なミスを見逃した場合、ときには人の命に関わるような事故に発展することもあるでしょう。
そのため厳しい内部研修やダブルチェックが課されており、日々張り詰めた空気のなかで働いているエッセンシャルワーカーも多いのです。
こうしたエッセンシャルワーカーには、適切なメンタルヘルスケアをすることが重要です。
ストレスを早期発見し、カウンセリングを経て前向きなモチベーションを喚起することができれば、離職も防ぎやすくなります。
また、ストレスは自分自身で気づけないことも多いです。エッセンシャルワーカーが所属する組織が定期的なアンケートやサーベイをおこない、広く予防策を取っていくことがひとつの対策となっていくでしょう。
➢ 職場環境を見直す
ミスが許されないエッセンシャルワーカーは、時に時間外まで残って仕事を完了させることも少なくありません。
日々刻々と変わっていく最新情報を仕入れるため勉強会やセミナーに参加したり、自宅など人から見えない場所で自己研鑽したりすることもあるでしょう。
どうしても時間外労働が増えやすく、肉体的にも精神的にも辛くなりやすいという現状があります。
前述のメンタルヘルスケアと合わせて、職場環境の見直しもおこないましょう。
無理な労働時間になっていないか、有給やリフレッシュの時間は取れているか、十分な人員を確保できてるかなど多方面から組織を見直し、チームビルディングしていくことが大切です。
また、給料や福利厚生など待遇面を見直し、働きに対して正しい報酬で応えることも必要です。
➢ IT化・DX化による業務効率化を図る
エッセンシャルワーカーにかかる負担を軽減するため、ITやデジタルの力を借りて業務効率化を狙うこともひとつの方法です。
絶対に人の手が必要な部分だけ人力でおこない、それ以外はAIやRPAに任せることができれば、業務は格段に楽になるでしょう。
残業や休日出勤などの時間外労働が減り、ワークライフバランスを取りやすくなるメリットも生じます。
余裕のある働き方がメンタルバランスの調和につながるケースも多く、風通しのよい快適な社内コミュニケーションができるようになるかもしれません。
自社にムダな作業や二度手間が発生していないかチェックしたり、自動化できる部分がないか探ったりすることができれば、改善のきっかけが見えてきそうです。
【まとめ】
エッセンシャルワーカーは社会の機能を支える大切な存在であり、働きやすい環境づくりに対する企業の責任が問われています。
なかには超過勤務による疲労・業務のプレッシャーなどからくるストレスを原因として退職してしまう人も多く、本人にとっても社会にとっても大きな損失だと言えるでしょう。
業務上ストレスに晒されることの多いエッセンシャルワーカーには、適切なメンタルケアが重要です。
FairWork surveyには、エッセンシャルワーカーをはじめとする労働者のストレス度合いを可視化する機能が搭載されています。
退職を防ぎ気持ちよく働ける職場の構築を目指して、定期的に組織サーベイしてみてはいかがでしょうか。
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