企業で口腔ケアを推進する必要性と企業事例について【健康経営】
健康経営を意識する際、生活習慣病予防やメンタルヘルス対策について考える企業は多いでしょう。
しかし、口腔ケアの重要性を見落としてしまうことは少なくありません。
数日のうちに急激に進行しないと考えているからこそ、対策を後回しにしてしまうこともありそうです。
今回は、企業で口腔ケアを推進する必要性や企業事例について解説します。
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【口腔ケアは仕事のパフォーマンスに直結する】
口腔ケアは、睡眠・食事・運動と並んで重要な健康管理と言われています。
歯ブラシ・歯間ブラシ・洗口剤など日常的に使えるホームケアアイテムも増え、毎日きちんとケアしている方も多いでしょう。
とはいえ、自分でも気づかぬうちに進行してしまうのが「お口の病気」です。
なぜ口腔ケアが仕事のパフォーマンスに直結するのか、下記で理由を確認してみましょう。
①虫歯を治療するための欠勤・早退・遅刻が増える
虫歯や歯周病に一度罹ってしまうと、放置して治ることはありません。
生活習慣のようにセルフケアでカバーすることはできず、歯科医院での診察・治療が必須です。
そのため、歯科医院に通うために会社を欠勤・早退・遅刻するなど勤怠面への影響が不安視されます。
土日祝日や夜間に診療していない歯科医院が多いことから、どうしても平日日中に通わざるを得ないケースもあるでしょう。
時には痛みが原因で突発的な休みをもらうなど、チームパフォーマンスに多大な損失を出す可能性もあるのです。
日常的に万全な口腔ケアをしていれば、虫歯・歯周病リスクは最大限低下させられます。
だからこそ「虫歯治療のために会社を休む」とは言いづらく、そのまま放置してさらに悪化させてしまうケースもあるため注意しておきましょう。
②口臭が原因でコミュニケーションに支障が出る
虫歯・歯周病など口腔トラブルや義歯の清掃不良などが原因となり、口臭が発生してしまうことも想定されます。
どんなに仕事ができる人でも、強烈な口臭を発していると「近寄りがたい」「なるべく最低限の会話だけで済ませたい」とチームメンバーから距離を置かれる可能性があるでしょう。
社内コミュニケーションに支障が出るため情報共有・意思疎通が図りづらく、ミスやトラブルの原因となることも少なくありません。
また、営業部・宣伝部・秘書室など対外コミュニケーションの多い部署では、会社の顔として働くことが多くなります。
「営業担当の口臭がキツくていいイメージが持てなかった」とマイナスイメージを抱かれてしまい、今後の取引に少なからず影響が出ることも視野に入れておく必要があるのです。
こうしたミスコミュニケーションや信頼の低下は、原因が口臭であると気づけないことも難点です。
だからこそ、日常的なケアが大切だと言えるでしょう。
③痛みや慢性疾患による集中力の低下を招く
虫歯・歯周病による痛みが生じると、仕事に集中することができません。
歯科医院で治療してもらってからもしばらくは痛みが続くことがあり、鎮痛剤による副作用(眠気・だるさ・軽度の吐き気)なども加わるため無理は禁物です。
治療したからといって直後から100%のパフォーマンスを発揮できない覚悟を決め、業務スケジュールを調整する他ないのです。
こうしたプレゼンティーズムを抱えることは、従業員にとっても企業にとってもデメリットです。
口腔内には、表皮感染症や食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」・呼吸器感染症を引き起こす「肺炎桿菌」などが存在していますが、ケアが不十分だと口腔内が菌の温床となることも考えられます。
慢性疾患・感染症・肺炎の原因にもなるため、「毎日ケアしているから大丈夫」と安易に考えないことが大切です。
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【企業における口腔ケアの推進手法】
企業が従業員の口腔ケアを推進することは一見違和感のあることのように思えますが、実はそうではありません。
口腔ケアの重要性を再認識するきっかけとなるほか、「仕事に影響を出したくない」という思いからくる悪化の進行を防ぐなどさまざまな効果が期待できます。
下記では、企業における口腔ケアの推進手法を紹介します。
➢ 口腔ケアに関する教育・セミナーを開催する
健康経営施策の一環として、口腔ケアに関する社内教育・セミナーを実施する方法があります。
業務と直接関係がない場合、息抜きがてら参加できるためきっかけづくりの場となるでしょう。
産業医の力を借りて衛生講話に口腔ケアに関するテーマを入れてもらったり、衛生委員会での話し合いテーマを口腔ケアにしたりすることも有効です。
普段から歯のことを意識できる時間を増やせれば、意識改革が起こりやすくなるでしょう。
➢ 企業歯科健診を導入する
会社で年1回実施する健康診断と同じく、企業歯科健診を取り入れる方法です。
歯科医院で実施する健診と、自社に出張してもらい集団で実施する健診とがあるため、規模に合わせて検討してみるとよいでしょう。
虫歯や歯周病は、早期発見・早期治療が大切です。
早い段階で治療に踏み切れれば、頻繁な通院・抜歯・義歯作成などを伴わず1~2日で治せることもあるのです。
とはいえ、多くのビジネスマンが歯科医院に行かない理由は「時間がないから」だと言われています。
「歯科医院が平日日中にしか開いておらず、わざわざ休みを取るのが面倒だから」
「せっかくの余暇は自分の好きなことに使いたいから」
という心理が働く気持ちも、理解できるでしょう。
企業歯科検診であれば業務時間内に受診できるため、プライベートへの影響がありません。
普段なかなか歯科医院に行かない層を医療につなげることができ、非常に効果的です。
健診ではなく歯周病などのスクリーニング検査であればより短時間で終えられるため、検討してみることをおすすめします。
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【口腔ケア推進を取り入れている企業事例】
実際に、健康経営を意識して口腔ケア推進に積極的な企業は複数存在します。
下記では代表的な事例を紹介するため、参考にしてみましょう。
➢ 株式会社ちょびリッチ
ポイントサイト「ちょびリッチ」を運営する株式会社ちょびリッチでは、株式会社オーラルケアと連携して定期的に従業員向け歯磨きセミナーを開催しています。
福利厚生の一環として導入し、実際に歯科衛生士を招いて話を聞けることから、多くの従業員が参加する定例イベントとなりました。
歯の基礎知識や病気の種類を学べるほか、個別に歯磨きのやり方をチェックしたり磨き残しの多い箇所を確認したり、パーソナライズされたセミナーにしたことも特徴です。
「自分の歯磨きが適切か」分かるため、いつの間にか興味津々に聞いてしまうでしょう。
歯科衛生士以外にも、医師・保健師など専門職の力を借りることもおすすめです。
➢ 株式会社ダイバージェンス
自動車整備士向け転職エージェントを運営する株式会社ダイバージェンスでは、「歯は人の営みの根源である」という名称の福利厚生を提供しています。
歯の定期健診およびクリーニング費用を会社が負担するという福利厚生であり、虫歯・歯周病の早期発見に貢献しています。
痛みがはっきり出てくるまで、「自分に虫歯なんてないはず」と考えてしまう人は多いものです。
本当に虫歯がないか確かめるためにも、費用負担を最大限カットしつつ健診の機会を与えていくことが重要だと分かる事例です。
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【まとめ】
口腔トラブルは、一気に進行しないからこそ自分では気づきにくい、見落としやすいことが注意点です。
「気づいたときには大掛かりな治療が必要だった」など後悔することも多く、仕事のパフォーマンスや働き方に影響することもあるため覚えておきましょう。
企業として口腔ケア推進をする方法もあり、従業員のデンタルIQを向上させるのに役立ちます。
産業医などの協力を仰ぎながら進めることもできるため、検討してみましょう。
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