人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)とは?

人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)とは?

2021年にアメリカ連邦議会で審議されている「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」をご存知でしょうか。

人的資本に関する情報開示を求める法案であり、ISO30414に続くローモデルになる可能性があります。

今回は、「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」について解説します。

実際にどんな情報の開示が求められるか、項目ごとにチェックしていきましょう。

目次

【「人材投資の開示に関する法案」とは?】

「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」とは、アメリカ連邦議会で審議されている人的資本に関する法案です。

全ての上場企業に対し、人的資本に関する8項目の情報開示を義務づける法案であり、2021年に下院を通過しています。

あくまでもアメリカにおける法案ではありますが、世界的な動きが日本企業に影響を与えることは少なくありません。

情報開示に関するローモデルになる可能性があるとして世界中から注目されており、積極的に情報収集する企業が増えています。

➢ 人的資本情報の開示に関する世界的な動き

前述の通り、世界の動きが日本企業に与える影響は大きいものです。

人的資本の情報開示についても同様で、世界の動きを知っておくとよいでしょう。

2014年には、EUにおいて「非財務情報開示指令」が公表されました。

非財務情報開示指令とは、その名の通り環境・社会的課題・ガバナンスなど財務指標には現れない情報開示を求める指令として広がりました。

2021年4月には改正案が発表され、上場企業だけでなく非上場の大企業も対象とするなど、範囲拡大の動きが出ています。

また、2018年には国際標準化機構(ISO)ISO30414を発表し、人的資本に関する情報開示のガイドラインとして話題にあがりました。

これにより「モノ」「カネ」だけでなく「ヒト」の観点を加えた持続可能な人事・労務施策を重視する企業が増えています。

2019年にはサステナビリティ会計基準審議会が、2020年には米国証券取引委員会がそれぞれ人的資本に関する情報開示に関する要求を出すなど、アメリカでの動きも盛んになっています。

こうした潮流を受けて「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」が提示されているのであり、アメリカ国内だけの話には留まらないことがよく分かります。

【「人材投資の開示に関する法案」の内容】

【「人材投資の開示に関する法案」の内容】

ここからは、「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」においてどのような情報開示が求められているのかご紹介します。

情報開示を求める目的は、長期的な企業成長を支えられるだけの人材投資をしているか、客観的に評価したいからだと言えるでしょう。

投資家はもちろん、取引先・顧客・従業員などさまざまなステークホルダーの目に触れる可能性があります。

人材投資対策は、今の時代どの企業においても必須の項目と言えるでしょう。

①契約形態ごとの人員数

正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト・業務委託など、契約(雇用)形態ごとの人員数を開示します。

正社員比率が高ければ、長期的な人材育成施策が取りやすくなるでしょう。

反面、「人件費が高い」「パフォーマンスを発揮しない社員がいてもクビにしづらい」などデメリットも多く、パフォーマンスと照らし合わせた育成計画の立案が欠かせません。

同様に、専門職・技術職への業務委託を導入すればノウハウやナレッジを習得しやすい一方、エンゲージメントが育たないなどの危険性を孕んでいます。

人材戦略が人員数・人員比率に反映されているか見るためにも、必須の項目だと言えるのです。

②定着・離職、昇格、社内公募

従業員が安定して自社に貢献してくれるかを測る指標です。

定着率が高ければ、それだけ魅力的な企業として従業員に評価されていると分かるでしょう。

一見定着率が高いように見えても、「若手の離職率が高い」「管理職だけ定着率が高い」など細かなステータスもチェックすることが理想的です。

また、昇進・昇格・社内公募(立候補制度)など従業員の働きや熱意を評価する仕組みがあれば、人材が安定しやすくなります。

自社にある仕組みを客観視するためにも、社内情報を整理していきましょう。

③構成・多様性

性別・年齢・居住地・学歴など、従業員の構成比率を明らかにします。

近年は、障害の有無・国籍・信仰などにとらわれず柔軟な採用活動をする企業が目立つようになりました。

多様性を持つことは、労働力の確保に貢献します。

少子高齢化による労働力減少が叫ばれている昨今、自社とマッチする人材の獲得はどの企業においても急務です。

テレワーク・フレックス・時短勤務など働きやすい環境を整備したり、多様な人が根付く社風を醸成したりすることは、人材投資の観点からも有効であると分ります。

そのため、構成や多様性に関する情報開示ニーズが高まっているのです。

④スキル・能力

従業員ひとりひとりのスキル・能力を示す指標です。

スキルが高ければパフォーマンスも高くなりやすく、企業成長を支えます。

スペシャリストはもちろん、「ゼネラリストが多くどんな仕事にも対応できる」「強いリーダーシップを発揮する人材がいて全体の調和がとれている」など特筆事項があればアピールポイントになるでしょう。

また、従業員のスキルアップに向けた施策も問われます。

個人の努力に期待するだけでなく会社全体での取り組みができていれば、さらに高い結果を公表できそうです。

⑤健康・安全・ウェルビーイング

従業員の健康・安全・ウェルビーイングに関する指標です。

安全配慮義務に基づいて業務に伴う事故・病気を最大限防ぐ取り組みをして、健康や安全を守っていけるよう意識しましょう。

また、プレゼンティーズムを抱えた社員がいないか、従業員のヘルスリテラシーが十分かを定期的にチェックすることもおすすめです。

健康に関する指標は、組織サーベイツールを活用して可視化できます。

同時にエンゲージメントモチベーションも測れることが多いため、検討してみましょう。

⑥報酬・インセンティブ

報酬・インセンティブが働きに対して妥当か、常に検討し続ける必要があります。

高いパフォーマンスを発揮する人には高い報酬を与えるシステムが構築されていれば、自然と従業員のモチベーションは上がっていくでしょう。

人事評価制度を見直したり、給与テーブルを作成して納得感を向上させたりすることも効果的です。

特に、同業他社との比較が重要です。

「ライバル企業は同じ働きでも高い報酬を支払ってくれる」と判断された場合、人材が流出しかねません。リスクのひとつとして、覚えておきましょう。

⑦経営上必要となったポジションとその採用の状況

ニーズやトレンドの移り変わりに応じて、新たに必要となったポジションがあれば情報を開示します。

何の目的で新設したポジションなのか、どんな人材をいつまでに求めているのか、より具体的なイメージをしておくとよいでしょう。

特に採用状況に関する内容は注目されやすく、投資可否を判断する大きな材料となります。

⑧エンゲージメント・生産性

従業員のエンゲージメントが高いと、生産性が上がります。

また、生産性が上がればエンゲージメントも上がりやすくなり、ポジティブなサイクルを構築しやすくなるでしょう。

エンゲージメントは一見数値化しづらい項目であるかのように見えますが、こちらも組織サーベイを活用することで可視化できます。

数ヶ月のうちにエンゲージメントが低下している従業員がいればサポートアップするなど、個別の対応もできるでしょう。

人材投資の方向性を決めるためにも、把握しておくことをおすすめします。

【まとめ】

「人材投資の開示に関する法案(Workforce Investment Disclosure Act)」など、人的資本に関する情報開示の必要性が高まっています。

しかし、ある日突然自社の情報をまとめようとしても、何から着手すべきか分らない企業も多いでしょう。

経営戦略に合った人材投資施策を練れず、期待していた効果が得られないケースも少なくありません。

まずは組織サーベイの実施など、できることから自社のコンディションを可視化することがおすすめです。

FairWork surveyは、従業員のプレゼンティーズムやエンゲージメントなど従業員ごとに異なるコンディションを可視化し、アラートを見逃さないためのSaaSツールです。

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