【従業員の退職兆候に気づいて離職防止!優秀な従業員のびっくり退職を防ぐには】
ある日突然、部下に「退職のご相談をしたくて…」と切り出されたことがある人は多いのではないでしょうか。
それまで一切退職兆候に気づいていなかった場合、目から鱗の驚きとなるでしょう。
周りの従業員に与える心理的な不安も大きく、業務の引継ぎでバタつくなど多くのデメリットが生じます。
今回は、優秀な従業員の「びっくり退職」を防ぐための方策を解説します。
退職兆候に気づくためのポイントにも触れますので、貴重な人的リソースを外部に流出させないためにもぜひお役立てください。
【びっくり退職とは】
びっくり退職とは、その名の通り退職の相談をされてびっくりしてしまうような人材が辞めることを指します。
予期しないタイミングでの相談であり、上司側もあたふたしてしまう可能性があるでしょう。
優秀な従業員だったり一見モチベーションが高そうに見える従業員だと更にショックが大きく、今抱えているビッグプロジェクトや大型取引先の引継ぎに頭を抱えてしまうことも考えられます。
「なぜ今辞めると決めたのか」「何か不満でもあったのか」という上司側の本音を出してしまいそうになりますが、まずはびっくり退職に至った原因を探ってみることが大切です。
【びっくり退職を招きやすい会社の特徴】
まずは、びっくり退職を招きやすい会社に共通している特徴を4点ご紹介します。
自社に当てはまるものがないか、チェックしていきましょう。
①企業理念が現場に浸透していない
企業理念が現場に浸透していない場合、従業員のモチベーションに影響します。
自分が所属する会社が何を目指していてどういう戦略を取ろうとしているのか、成功のために従業員へ何を期待しているのかが分からず、努力の方向性を見失ってしまうこともあるでしょう。
「自分がやっていることは、本当に会社や顧客のためになっているのか」という自問自答を重ね、よりやりがいのある仕事へと転職してしまうかもしれません。
入社するときだけでなく定期的に企業理念に触れる機会を設け、企業の方向性を示していきましょう。
また、努力する意義を見出せるような社会性の高い目標を提示することも有効です。
②社内コミュニケーションが取れていない
社内コミュニケーションが円滑でないと、人間関係のストレスが生じます。
業務上必要な最低限の情報共有ができずミス・抜け・漏れにつながったり、意見の食い違いがそのまま人間関係の破綻に発展したりすることもあるでしょう。
また、何でも気軽に相談できるような上司がいなかったり、お互いを蹴落とし合うような社内競争が苛烈化していたりする場合も、風通しの良さは損なわれていきます。
社内イベント・周年記念パーティー・部活動などオフラインでできるイベントはもちろん、Web上でのランチミーティングや社内報などオンラインでも提供できるコミュニケーション機会を設け、雑談もできるような関係性を築くことがおすすめです。
③給与や福利厚生の水準が低い
給与・福利厚生などの水準が同規模の企業より低い場合も、勤続へのモチベーションが下がります。
努力が正当に評価されていないように感じられ、長期的な貢献意欲を喚起しづらくなるでしょう。
元々の水準が低い場合はもちろん、人事評価制度が不透明で「自分がなぜ今の給与なのか」を理解させられていないケースにも、同様のことが起こります。
フィードバック面談をして会社が何を期待しているのか伝え、前向きなモチベーションを育成できるよう意識していきましょう。
④残業や休日出勤が多くワークライフバランスが保てていない
産業や休日出勤が多く、従業員のワークライフバランスが保てていない場合もびっくり退職の原因になるでしょう。
働き方改革の考え方が広がるにつれ、ワークライフバランスを重視する若手人材が増えています。
「残業=会社への忠誠心」だと感じることが人が減り、むしろ「残業=非効率の象徴」だというイメージも出てきました。
また、結婚・妊娠・出産・介護などプライベートと両立したいと考える人も増え、ライフプランと仕事のバランスを考えていく必要があるでしょう。
残業・休日出勤などマンパワーに偏った企業経営を辞め、業務効率化を図っていくことも、退職防止策として有効です。
【退職兆候に気づくための対策】
次に、退職兆候に気づくための対策を考えていきましょう。
万が一退職を検討している従業員がいた場合、会社が早期の段階で気づいてフォローアップしていくかが重要です。
下記ではいくつか施策を示しますので、参考にしてみましょう。
➢ 従業員エンゲージメントを常に可視化する
従業員エンゲージメントを常に可視化する取り組みをおこない、万が一モチベーションの低下や退職兆候の出現があれば早期に気づくシステムづくりをおこないます。
グラフや数値で可視化されるシステムを導入すれば、時期・部署・年代ごとの兆候にも気づきやすくなるでしょう。
アンケートや面談などで個別に情報を吸い上げることも可能ですが、エンゲージメントサーベイツールを活用することもひとつの手段です。
可視化するための工数や期間を短縮できるため、より早い段階でフォローアップしやすく、多くの企業で活用されています。
➢ 適宜1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングとは、月に1〜2回従業員ひとりひとりと上司が個別にミーティングをおこなう手法です。
適宜1on1ミーティングを実施するとコミュニケーション機会を増やせるため、日々のちょっとした不安や疑問を吐き出してもらいやすくなるでしょう。
部署の方向性と本人の希望がズレていることに気づけたり、小さなモチベーションの変化を機敏に察知できたりする効果も期待できます。
また、「会社に目をかけてもらっている」という満足感も呼び起こしやすく、双方にとってメリットがあります。
【退職兆候に気づいたときの離職防止策4選】
最後に、従業員エンゲージメントの可視化により退職兆候に気づいた後の施策について解説します。
無理な引き留めではなく双方win-winな施策を探り、より会社との絆を深めてもらえるような工夫をしていきましょう。
①本人の希望や悩みをヒアリングする
まずは、本人の希望や悩みを徹底的にヒアリングします。
想定していなかった人から退職兆候が現れると上司や担当役員は慌ててしまいがちですが、会社の都合や業務上の話は一旦後回しにして本人の話をとことん聞くのが先決です。
社内の人間関係に悩んでいるのか、キャリアプランや評価内容に不満があるのか、プライベートでの悩みがあるのかなど、モチベーション低下の原因を探れます。
その際、会社が退職兆候に気づいていることを察知されないよう、フランクなコミュニケーションの場を設けるのが理想です。
退職を検討しているという後ろめたさから、本音を上司に話そうとしない従業員もいるでしょう。
可能であればチームが同じメンバーへのヒアリングも検討するなどして、情報収集していきましょう。
②給与水準や人事評価内容を見直す
給与水準を同規模程度の企業や同業他社と比較し、明らかに水準に達していない場合は再考した方がよいでしょう。
一気に水準を引き上げるのが難しくとも、数年スパンで徐々に上げていくことを検討します。
そのために業務効率化や投資が必要であれば、経営会議の場で議題に上げることが大切です。
また、人事評価がひとりの上司による好き嫌いに左右されていないか、定量評価だけでなく定性評価も取り入れているかなど、多彩な視点で見直してみましょう。
近年は360度評価など新たな人事評価手法も根付きつつあるため、リサーチのうえで導入の可能性を探ります。
③適性に合った部署に異動させる
組織運営最適化のため、適性に合った人員編成になっているかを検討する手法です。
従業員ごとに異なるスキル・経験・知識・保有資格などを可視化し、部署ごとに求めている人材像と照らし合わせながら人事異動案を作成してみましょう。
適性に合った配置をすることで、「自分の能力を最大限発揮できるような環境を会社が作ってくれている」という印象を持たせることもでき、会社への信頼度も上がります。
④社内コミュニケーションを活性化させる
社内コミュニケーションを活性化させ、風通しのよい職場環境を作ることも大切です。
「何でも相談・発言できる」という心理的安全性を確保しやすいほか、メンタルヘルス対策としても効果的でしょう。
モチベーションやエンゲージメントが上がるだけでなく、業務パフォーマンスそのものの向上も期待できます。
そのためには、さまざまな社内コミュニケーション施策を実行することが大切です。
また、施策の有効性を確認するためにエンゲージメントサーベイツールを導入し、都度改善を図るのもおすすめです。
【まとめ】
従業員の「びっくり退職」は会社に多大なダメージを与えるだけでなく、共に働くチームメンバーにも驚きと動揺を与えてしまいます。
びっくり退職を防止するためには、退職兆候にいち早く気づいてフォローアップすることが欠かせません。
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