【介護士の労働環境とメンタルヘルス対策】

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近年、介護士の離職率の高さや労働環境に注目が集まり、介護業界におけるメンタルヘルスケアの重要性は非常に高まっています。

介護産業は世界に類をみない超高齢化社会へと突入する日本にとってなくてはならない社会基盤である一方で、心身共に非常に負荷の大きい仕事をする介護士をはじめとした方々に充分なメンタルヘルスケアが届いていないのが現状です。

今回は介護福祉士や職員に向けたメンタルヘルスケアの重要姓についてお話します。

目次

  • 事業者にとってのメリット
  • ①離職の防止
  • ②採用の強化
  • ③サービスの質を高める
  • ストレスチェックやパルスサーベイの活用
  • まとめ

事業者にとってのメリット

介護福祉士や職員に向けたメンタルヘルスケアを行うことの事業者にとってのメリットとして次のようなことが挙げられます。

①離職の防止


介護士の離職率16.2%と他のエッセンシャルワーカー(看護師など)と比べても高い数字となっています。

下記の図は介護福祉士の職場を退職した理由を調査した結果です。割合が大きい理由をみると「業務に関する心身の不調(腰痛を含む」「法人・事業所の理念や運営の在り方に不満があった」「職場の人間関係に課題があった」などがあります。

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これらの課題を改善し退職を防ぐためには、コミュニケーションの機会をつくり早期に心身のケアを行うことが大切です。

心身の不調以外の理由についても、悩みや要望を知るコミュニケーションの場があれば相談に乗りフォローすることができます。実際にコミュニケーションをとることで、明らかな不調者だけでなく優秀で元気に働いていると思っていた人が実は悩みを抱えていることが分かったという事例もあります。

一方でコミュニケーションの文化がない組織や、コミュニケーションをとろうとしてもどうやってコミュニケーションをとれば良いか分からない事業者も多いと思います。特にメンタル不調の兆候は人によって異なるため見つけることが非常に難しいです。

そこでコミュニケーションツールとなるだけでなくメンタル不調者の発見につながるパルスサーベイの導入が効果的です

②採用の強化


離職率が多いという課題に加え採用が上手くいかないという課題を抱えている事業者も多いのではないでしょうか。

職種によっては有効求人倍率が15倍を超えるなど、従来のハローワークでの募集にとどまらず求人サイトの利用など募集にお金をかけなくては優秀な人材が集まらない状況になっています。ここで、介護業界限定ではないですが社員の健康に投資することが採用強化に繋がる事例を紹介します。こちらは経済産業省が就活生に実施した調査です。


就職先として「従業員の健康や働き方に配慮している企業」に就職したいという割合が最も多い結果となっています。このことからメンタルヘルスケアなど従業員の健康に配慮する職場をつくり、そのことを積極的発信することで優秀な人材を集める効果が生まれます。

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③サービスの質を高める


最後に最も重要なのはサービスの質を高めることです。

介護の現場での事故は人の命にかかわる危険に繋がっています。そのため、事故につながる可能性を高める介護士の心身のコンディションの悪化は絶対にケアをしなければいけない課題と言えます。

また、離職が増えると穴埋めとして業務負荷が高まり連鎖的にコンディションの悪化が広まる可能性がありますし、新しい人を雇用することになると教育にも時間がかかりサービスの質が安定しなくなります。

介護士のコンディションを把握し適切にケアすることが重大な事故の防止やサービス品質の維持向上に繋がるのです。

ストレスチェックやパルスサーベイの活用


メンタルケアの方法としてはストレスチェックがあり、2015年以降は50人以上の事業場での実施が義務化されています。

しかし、50人以下の事業所は義務化対象外となっていることに加え、離職率が高くまた心身のコンディション変化が大きな介護業界では、年に1回のストレスチェックだけでは十分なメンタルケアは難しくなっています。

そのため、月に1回などより細かい頻度でコンディションを可視化するパルスサーベイを活用することが推奨されます。

(パルスサーベイについては別記事でも紹介していますので、ご関心のある方はご参照ください。)

まとめ

今後も超高齢化社会の勢いが増す中で介護士の負担も増大していくものと思います。機械やシステムも発達し負荷が軽くなる業務も確かにあるかもしれませんが、システム化に伴う新しい業務の発生により新しいストレス発生源も生まれます。また人と人とのコミュニケーションに関する問題は変わらずに発生し続けるでしょう。

日本の基盤としてなくてはならない仕事だからこそ、また人に寄り添う仕事だからこそ働く人たち自身が幸せであることが大切ではないでしょうか。

弊社は代表が精神科医であることもあり、医療福祉に関連するエッセンシャルワーカーの健康問題を解決していきたいと考えています。
介護士や介護に関連する仕事をされている方々のコンディションを可視化し、メンタル不調や離職を防ぐパルスサーベイを提供しておりますので、ご関心のある方は是非お気軽にお問合せください。