【パルスサーベイには意味がないのか?】

パルスサーベイには意味がないのか

有能な人材との長期的なパートナーシップを結ぶため、従業員エンゲージメント向上施策を打ち出している企業は多いものです。施策のひとつとしてパルスサーベイがあり、社員の意識や健康状態を可視化できるものとして注目されるようになりました。

一方で、「パルスサーベイはあまり意味がない」「パルスサーベイをやっても効果が出ない」という声もあります。今回は、パルスサーベイには意味がないのか、探っていきましょう。

結論からお伝えすると、効果的な導入・運用ができれば、パルスサーベイで得られる成果は高くなります。成功のポイントもリストアップしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

【パルスサーベイとは?】脈拍を取るように定点観測する

パルスサーベイとは

パルスサーベイとは、「パルス(=短時間のうちに変化する脈拍信号)」「サーベイ(=調査)」を組み合わせた造語です。

一番大きな特徴は、社員に対して簡易で低負荷な意識調査を、定期的に実行することで、変化に早く気づけるという点にあります。

リアルタイムで社員の状態を可視化できるため、健康診断やストレスチェックのように発見が遅れて介入が手遅れになることなく、早期発見・早期介入までのタイムラグを短くできるようになりました

また、部署ごと・年代ごと・性別ごと・役職ごとの差も明確に把握できるようになり、組織診断や従業員エンゲージメント施策の立案にも大きく貢献しています。

【パルスサーベイが意味ないと言われる理由】

パルスサーベイが意味ないと言われる理由

前述したように、パルスサーベイは社員の不調を防いだり、従業員エンゲージメントの向上に役立つ手法です。しかし、「これといった効果が出ない」「パルスサーベイなんて意味ない」と言われるケースもあるため、導入を躊躇う企業も少なくありません。

ここでは、「パルスサーベイなんて意味ない」と言われる理由を探っていきましょう。

1.ただのアンケート調査になってしまうから

パルスサーベイをおこなって社員の意識や抱えている問題・疑問・不安を可視化できても、その後の施策につながらなければ意味がありません。

「アンケート調査をされたけれど、何の意味があるの?」と思われ、形骸化してしまうこともあるでしょう。いわゆる「やりっぱなし」の人事施策になりやすく、却って社員からの不満を集める結果にもなりかねません。

さらに、パルスサーベイ時に社員が抱く不安が明確になったにも関わらず、その後人事や上司が本人に声をかけるなどの対応を誰もとらなければ、会社への信頼度は下がってしまいます。信頼度を下げるくらいならやらない方がいい、と感じることで「意味ない」と言われることもあるでしょう。

2.高頻度な調査に対応が追いつかないから

パルスサーベイは、月に1回など頻度高く意識調査をおこなう手法です。

1回ずつの調査は数分で終わるため回答の負担はほとんどないものの、収集したデータを確認しないまま次の調査日がきてしまうことも少なくありません。

なにも対応しない状態が続くと、同じく「ただアンケート調査をしているだけ」という状態に陥りやすいのです。パルスサーベイを人事施策に落とし込みたいという意図があっても、工数が足りていないとムダになってしまいます。

そのため、「パルスサーベイをやっても意味ない」と感じる企業もあるでしょう。

3.管理工数が多くて運営側に不満が溜まるから

頻繁なパルスサーベイをおこない、収集したデータを管理・分析・活用し、具体的な人事施策の実行と効果測定にい活用する…というフローは、管理側に大きな手間がかかります。

管理工数だけが増えてしまうと、運営側である人事社員の不満が大きくなることが想定されるでしょう。特に、通常業務に加えてパルスサーベイを追加でおこなう場合は、業務量だけが増えたような印象を与えてしまいます。

パルスサーベイ導入後のポジティブな変化が見えないと、自分が担当している業務が意味ないものであるかのように思え、モチベーションも下がりやすくなるのです。

運営側に不満が溜まりそうだから、なかなか社内での話が進まないということもあるでしょう。いかに作業工数を軽減しながら導入するかが、パルスサーベイ成功の秘訣と言えるでしょう。

【パルスサーベイを成功させるポイント】

パルスサーベイを成功させるポイント

ここからは、前述したパルスサーベイの失敗事例を元に、成功のポイントを探っていきましょう。デメリットだけでなくメリットにも目を向けながら、効果的な方法を探っていくことも大切です。

1.質問数・質問項目を精査し、負担を軽減する

まずは、質問数・質問内容を精査しましょう。

質問数が多すぎる場合、社員の通常業務を圧迫しやすく、パルスサーベイがおこなわれるたびにうんざりさせてしまうリスクがあります。反対に、質問数が少なすぎると的確なデータ収集ができず、分析に役立たなくなるでしょう。

1回2~3分程度で回答できる程度のボリュームに調整し、業務の間にサッと済ませられる程度にすることが理想です。また、質問項目の精査も欠かせません。代表的な質問例は、下記の通りです。

  • 業務について(やりがい・達成感・業務量・業務内容)
  • 人間関係について(上司・同僚・部下・後輩との関係)
  • 体調について(体調不良・メンタルの落ち込み・不眠)
  • 評価について(人事評価・ポジション・給与への納得感)
  • 職場環境について(設備・環境・アクセス・エンゲージメント)
  • 経営理念について(理念理解が徹底できているか)

複数の角度から状態分析できる質問項目になるよう整え、社員ひとりひとりの状態を可視化していきましょう。特に、業務・人間関係・体調は離職の三大要因ともいわれています。

2.結果の共有範囲を明確にし、本人にとっても役立つものにする

パルスサーベイの結果は、社員本人が振り返れるようにしましょう。人事や上司のみが把握する一方的な調査にならないよう、内容に応じて自動でフィードバックがされるようなシステムがおすすめです。

社員自身にとっても自分の状態を客観的な数値・データで振り返ることで、不調になる前のセルフマネジメントを意識する仕組みが作れます

また、結果の共有範囲はあらかじめ提示しておきます。なぜなら、「人事部と直属の上司のみに共有」なのか、「同じ部署(チーム)全体に共有」なのかによって、パルスサーベイへの回答内容が変わる可能性があるからです。

パルスサーベイをおこなう目的に応じて共有範囲を明確に設定し、事前説明をしておきましょう

3.パルスサーベイに特化したプロジェクトチームを立ち上げる

可能であれば、パルスサーベイに特化したプロジェクトチームを立ち上げましょう。特にパルスサーベイに着手し始めてから軌道に乗るまでの数か月は、工数が多くなりがちなため、通常業務を圧迫しない配慮が必要です。

また、社員にとっても「何か新しい取り組みが始まった」と感じてもらいやすいタイミングであるため、ここで会社としてどう動くかがその後の成功を左右すると認識しておくことが大切です。

パルスサーベイに特化したプロジェクトチームを立ち上げられるような人的余裕がない場合、ツールを活用して工数そのものを下げる方法もあります。運用側の負担を軽減することにもなりますので、下記で詳しく紹介します。

4.パルスサーベイツールを活用し、上手に外注する

パルスサーベイツールを活用し、効率よくパルスサーベイをおこなうこともポイントです。パルスサーベイのためにチーム編成する余裕がない会社でも、ツールを活用しうまく外注することで、人的コストを軽減できるでしょう。

質問項目を作って社員に配信するまでのプロセスが楽になるほか、収集したデータは表・グラフで可視化されるため、チームごとの傾向や社員ひとりひとりの変化をキャッチしやすくなります。また、パルスサーベイの結果に基づき必要な対策の考案をサポートしてくれる機能があるツールであれば、ノウハウのない会社でも安心です。

  • 「不調な社員を見つけたけど、どうやって声をかければいいか分からない」
  • せっかくサーベイを始めたけれど、収集したデータをどう活用すればいいか分からない」

という悩みも解消でき、満足度の高いパルスサーベイができるでしょう。

ただ状況を可視化するだけでなく、結果に基づいて的確なアプローチができるレベルにまで高めたいのであれば、ツールの使用はもはや不可欠だと分かります。

【まとめ:パルスサーベイを効果的に運用するために】

パルスサーベイは一見すると意味ないものであるかのように感じられますが、効果的な導入・運用ができれば、得られる成果はそれだけ高くなります。

組織サーベイツール FairWork survey」は、社員のコンディションを可視化する人事支援SaaSです。組織改善に向けたPDCAサイクル構築や、不調社員に必要なケアの考案まで伴走支援するため、従業員の不調に悩む企業様や、これからパルスサーベイに着手される企業様におすすめです。

特に、サーベイ実施後に必要となる不調社員への声掛けや予防支援を、医療専門職である臨床心理士や精神科医が代行するサービスは、従業員支援のメソッドや人員が不足しがちな企業様にとって、頼もしいパートナーとなるでしょう。

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