【内発的動機づけとは?】仕事における具体例と注意点について解説!
仕事のモチベーション向上には、外発的動機づけと内発的動機づけが重要だとされています。
仕事にやりがいや楽しさを感じる「内発的動機づけ」が高いとエンゲージメントが高まり、離職防止にもつながります。
今回は、内発的動機づけを刺激する方法について解説します。
同時に注意点にも触れるため、内発的動機づけ対策を検討している場合はご参考ください。
【仕事のモチベーションを上げる2つの動機づけ】
モチベーション高く働き、パフォーマンスを向上させるためには「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」の2つが必要です。
それぞれの詳細について、まずは確認してみましょう。
➢ 外発的動機づけとは
「外発的動機づけ」とは、周囲の人から与えられる評価・報酬をモチベーションにすることです。
具体的には、下記のようなものをモチベーションにする場合が「外発的動機づけ」に該当します。
- 高い報酬を得ること(お金を稼ぐこと)
- 高い役職に就くこと(地位を得ること)
- 上司・同僚などから賞賛の言葉を浴びること
- 稼いだお金を使ってプライベートを充実させること
成果に重きを置くことが特徴であり、外発的動機づけが満たされていると社会的に評価されるため安心感が高まります。
ただし、目標を達成してしまうと次の外発的動機づけができず、モチベーションが下がることもあるでしょう。
➢ 内発的動機づけとは
「内発的動機づけ」とは、自身の興味・関心・意欲の充実をモチベーションにすることです。
具体的には、下記のようなものをモチベーションにする場合が「内発的動機づけ」に該当します。
- 興味・関心のある業種・職種で働くこと
- 自分のスキルを最大限活かしているという充実感
- わくわくする・好奇心が満たされること
- やりがい・達成感を得ること
明確に数字で評価できない「やりがい」に通じるものがあると言えるでしょう。
具体的な目標がなくともモチベーションを維持しやすく、長期に渡ってコツコツ努力を継続する力の源になることも多いです。
【内発的動機づけを高める方法】
ここでは、内発的動機づけを高める方法を解説します。
「気持ちの問題」が強いとされがちな内発的動機づけですが、企業としての施策によって確実に向上させることができます。
①適切な人員配置をする
タレントマネジメントシステムなどを導入し、「適材適所」な人材配置をしてみましょう。
自分のスキル・経験・実績・保有資格を最大限活かせる部署に配属してもらうことができれば、業務に集中しやすく、パフォーマンスも向上します。
パフォーマンスが上がると周りから評価される可能性が高くなり、同時に外発的動機づけも満たすことができるのです。
まずは自社の従業員ひとりひとりの強み・適性を把握するなど、人的資本の可視化からはじめましょう。
②ワークライフバランスを整える
無理な残業・休日出勤を削減し、バックグラウンドに合った柔軟な働き方を推奨するなど、ワークライフバランス向上を意識してみましょう。
内発的動機づけは業務中だけに生じるものではなく、「仕事とプライベートの両立」による影響も大きいです。
妊娠・出産・育児・介護・病気療養・プライベートの趣味などと両立できれば働くことが苦でなくなり、ワークエンゲージメントが上がります。
過労や睡眠不足によるパフォーマンス低下を防ぐ手段としても有効なため、健康経営も視野に入れてぜひ着手してみましょう。
③職場の心理的安全性を高める
職場の心理的安全性が高く、「全員が自分の意見に耳を傾けてくれる」「失敗を恐れずチャレンジできる社風がある」と実感できる場合、内発的動機づけにつながります。
特に社内コミュニケーションが充実している企業は、心理的安全性が高い傾向にあります。
斬新なアイディア・意見も発信しやすくなり、イノベーションが起きるなど副次的な効果も期待できるでしょう。
パフォーマンス向上施策として内発的動機づけを考えるのであれば、おすすめの施策です。
④個々のキャリアプランを明確にする
1on1ミーティングや組織サーベイを実施し、従業員が持つキャリアプランを明確にしていく手法もあります。
理想的なキャリアプランを歩むため会社がどんな環境を用意できるか、どんなスキルアップをさせてあげられるか提示できれば、そこで働き続けるモチベーションとなるでしょう。
どんな努力をすれば理想の働き方ができるのか、道を提示することも大切です。
また、キャリアプランが曖昧な従業員が多ければキャリア教育を徹底するなど、別の手法も考えられます。
特に若手社員が多い企業では、離職防止も兼ねてキャリア教育に力を入れることもおすすめです。
「成長している実感」を与えることが内発的動機づけの要因となるため、特に意識したいポイントです。
【内発的動機づけをする際の注意点】
内発的動機づけを高めるためとはいえ、誤った方向性に舵取りしてしまうと従業員のニーズとギャップが生じます。
企業としての施策がポーズだけになってしまうと、かえって従業員から信頼を失うことになるため注意しておきましょう。
➢ 従業員の不満を把握してから施策を考える
前述した内発的動機づけ対策は、どんな企業でも必ず効果を発揮するものではありません。
既にワークライフバランスが充実しており、仕事とプライベートの両立がうまくできている従業員が多い会社では、さらなるワークライフバランス対策をしても思うような効果が得られないでしょう。
また、従業員の不満が人事評価体制にあるにも関わらず人員配置を改善しても、根本的な解決にはなりません。
つまり、まずは従業員が抱える不満を把握することが大切なのです。
その不満を解消できるような施策を考え、自然とモチベーションが喚起されるような環境づくりをしていきましょう。
➢ 定期的にモチベーションレベルを把握する
施策に対するフィードバックを集め、モチベーションが十分に上がっているようにみえても、持続しないケースは意外と多いものです。
「どんなことにモチベーションを感じるか」は個人によって異なり、また状況や環境によっても変わっていくものだからです。
適切に従業員の現在のモチベーションを把握して、必要に応じて面談などの機会を設けなければ人材の流出につながってしまうのです。
定期的に従業員のモチベーションレベルを把握し、変化を可視化していきましょう。
パルスサーベイツールなどを活用すれば比較的手間なくできるため、選択肢のひとつとしておすすめします。
【まとめ】
高い給与や賞賛といった外発的動機づけは従業員にとってとても重要な要素ですが、それだけではモチベーションは維持できません。
「この仕事をやっていてよかった」という満足感や、「自分は確実に成長できている」という実感といった内発的動機づけが高まれば、長く仕事を続けるモチベーションとなるでしょう。
企業が従業員のモチベーションを定期的に把握し適切にアプローチすれば、内発的動機づけの向上に確実に効果を発揮します。
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