メンタル休職の期間はどれくらい?給料はどうなる?

メンタル休職期間の目安はどれくらい?給料はどうなる?

うつ・適応障害などメンタル不調を理由に休職する場合、早く復帰してほしい気持ちと安定して療養してほしい気持ちとの間で企業担当者の気持ちが揺らぐことも多いです。

会社の上司や人事は、本人を適切にサポートすることを第一に、復帰のための万全の体制を講じておきましょう。

今回は、メンタル休職期間の目安について解説します。休職期間中の給料や使える制度にも触れるので、参考にしてみましょう。

目次

メンタル休職する場合の平均期間は?

早速、メンタル休職する場合の平均期間を解説します。あくまでも目安のひとつであり、実際の休職期間は本人の体調を踏まえて、主治医の意見などを参考に予定を立てていきましょう。

休職期間は平均して107日(約3.5ヶ月)

メンタル不調を理由とした休職である場合、休職の平均期間は107日(約3.5ヶ月)とされています(※)。

はじめは何よりも体と心を休めることに終始する必要があり、それだけでも最低1ヶ月はかかると見ておきましょう。その後、心身のバランスが取れてから仕事や今後の生活について考えるのが一般的です。

それから職場の上司・産業医・総務や人事の担当者を交えて、働き方やペースについて相談しながら復職するので、3.5ヶ月程度かかることは珍しくありません。

(※参考:主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究

病気の程度・内容により大幅に変動するのが特徴

メンタル不調による休職は、症状の程度・内容により期間が大幅に変更するのが特徴です。

怪我や風邪と異なり症状の個人差が大きいこと、そのため回復にかかるペースを一律で計算できないことなどが、要因のひとつとして挙げられます。

そのため、同じうつ病であっても1~2ヶ月で復職できる人もいれば、年単位での休養が必要な人もいます。

「〇〇さんはすぐに復職してくれたのに…」と無理なプレッシャーをかけないよう配慮し、主治医の意見をしっかり確認しながら、個別最適化されたサポートを提供するよう意識していきましょう。

メンタル休職する場合の給与は?

メンタル休職する場合の給与は?

次に、メンタル休職中の給与の扱いについて解説します。本人との認識に齟齬が生じないよう、あらかじめ就業規則に盛り込んでおくなど対策しておきましょう。

休職期間中の給与支払い義務は生じない

労働基準法や労働契約法では、休職期間中の給与支払いに関する項目は定められていません。

つまり、休職期間中は原則、給与・賞与を支払わなくても問題ありません。「働いていないのであればその分の支払いは発生しない」とするノーワーク・ノーペイの原則(労働基準法24条)があることからも、無理に支払いをする必要はないのです。

ただし、主治医による出勤停止措置などが下されていないのに会社都合による休職を命じた場合や、原因が会社にある場合などは支払いの妥当性が認められるケースもあるので要注意です。

ほとんどの企業において私傷病休職は無給扱い

現在、ほとんどの企業において私傷病休職は無給扱いとなっています。

つまり、うつ・適応障害などのメンタル休職はもちろん、労災を除く交通事故や病気などについても同じく無給になることがほとんどなのです。

なかには会社の温情として給与の一部もしくは満額を支払い続けるケースもありますが、非常に稀と考えてよいでしょう。

傷病手当金を活用して生活費を賄うことが多い

メンタル休職中の生活費は、傷病手当金を活用して賄うケースが多いです。

傷病手当金とは、病気療養中に本人および家族の生活を保障するために設けられた制度です。会社で健康保険に加入している労働者であり、連続する4日以上働けなかった人であれば誰でも活用できるので詳細を確認しておきましょう。

支給される金額は、標準報酬日額の3分の2です。

普段高額を稼いでいて標準報酬日額が高く設定されているのであれば、その分高い金額がもらえるので生活レベルに合った支援をすることができます。

メンタル休職から復職を目指すポイント

メンタル休職から復職を目指すポイント

最後に、メンタル休職から復職を目指す際のポイントを解説します。せっかく復職しても再度休職を繰り返したり、結果的に退職したりすることを防ぐためにも、参考にしてみましょう。

早期復職を焦りすぎない

各種保険料の折半分負担が生じている企業側にとっては、「可能な限り早く復職してほしい」というのが本音でしょう。

しかし、メンタル不調は無理をさせることで却って悪化したり、高頻度で休職・復職を繰り返したりしやすいのがポイントです。最悪の場合、休職からそのまま退職してしまうケースもあるので注意しておきましょう。

まずは、早期復職を焦らず支援していくことが大切です。平均的な休職期間に囚われることなく、本人の意向や主治医の意見を参考に復職のタイミングを検討していきましょう。

また、最初から休職前と同等の仕事を依頼せず、小さなボリュームから任せていくことも大切です。

リワークプログラムを活用する

リワークプログラムとは、メンタル休職している人に対しておこなわれる職場復帰に向けたリハビリテーションです。

「復職支援プログラム」「職場復帰支援プログラム」と呼ばれることもあります。

担当業務に関する直接的なリハビリテーションをすることもあれば、毎朝決められた時間に起床して支度を済ませるなど生活習慣に関するトレーニングから始まることもあります。

また、集団生活に慣れるための軽スポーツや社内コミュニケーションを想定したイベントを経由することもあり、内容は多岐に渡ります。

試し出勤など柔軟な制度を活用する

試し出勤など、柔軟な働き方を整備して復職を迎え入れるのもリワークプログラムのひとつとして役立ちます。

例えば、職場復帰前に従来勤務していたオフィスまで一定期間継続して通うなど、少しずつ慣らしていくための取り組みをしてみましょう。最初は1時間だけ働いたり、ランチの時間帯にだけ出勤して同僚とコミュニケーションを取ったりする方法もあります。

また、必要に応じて部署の異動・勤務先オフィスの変更なども検討していきましょう。こちらも会社の一存で決めず、本人の意向をヒアリングしたり、主治医の意見を参考にすることが大切です。

産業医・事業場内産業保健スタッフと連携する

産業医や事業場内産業保健スタッフと連携し、復職後の支援も万全にしておきましょう。

自社に産業医がいる場合、健康管理や職場での調整に関するアドバイス・指導を得るため定期的に面談してもらう方法があります。不安要素があれば主治医と連携してもらうなど、多彩な取り組みができることもポイントです。

また、出勤前後で気軽に使えるカウンセリングルームを設置したり、自宅にいながら相談できるオンラインサービスを活用したりするのもおすすめです。カウンセリングの結果を人事や直属の上司にフィードバックしてもらえれば、より無理のない働き方をサポートすることができます。

関わる人が限られているとどうしても視野が狭くなりがちなので、なるべく多くの人が関われるよう工夫していきましょう。

まとめ

メンタル休職の平均期間は107日(約3.5ヶ月)ですが、症状や程度に応じて変動しやすいのがポイントです。

会社側の希望だけでなく、本人の希望や主治医の意見を参考にしながら、少しずつ復職の体制を整えていきましょう。

フェアワークでは、ストレスチェックやパルスサーベイ、不調者を早期に発見し適切な支援を届けるオンラインカウンセリングなど、企業における効果的な従業員ケアをご支援しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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