【風通しの良い職場の特徴と作り方:デメリットや注意すべき点】
風通しの良い職場にすると、働きやすさが向上するイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
反対に、人間関係が悪くギスギスした雰囲気が蔓延していたり上司の顔色ばかり伺う働き方をしていたりする場合は、風通しが悪くなり従業員エンゲージメントが下がります。
今回は、風通しの良い職場に共通する特徴について紹介します。
実際に風通しの良い職場を作る方法やデメリット・注意点にも触れますので、組織風土づくりにお役立てください。
【風通しの良い職場とは】
風通しの良い職場とは、ストレスなくのびのび働ける職場のことを指します。
フラットで壁のない人間関係や相互の意見交換がしやすい環境が築かれており、コミュニケーション上のストレスが生じないことが特徴です。
そのため、風通しのよい職場であることは従業員エンゲージメントの向上や離職防止に欠かせない要素とされています。
【風通しの良い職場に共通する特徴】
ここからは、風通しの良い職場に共通する特徴を解説します。
どんな職場か具体的なイメージを持つためにも、参考にしてみましょう。
➢ 活発な社内コミュニケーションができている
風通しの良い職場は活発な社内コミュニケーションができていて、情報共有しやすい環境にあります。
朝礼・終礼など毎日情報共有する場をしっかり設けているため、伝達漏れが生じません。
また、テレワークや出張があっても社内情報格差が発生せず、必要なときに必要なコミュニケーションが取れる環境が整っていることも特徴です。
なかには社内サークルやランチミーティングに積極的な会社も多く、業務の枠を超えてやりとりすることもあるでしょう。
ミスコミュニケーションによる業務の非効率を防ぐ意味でも、風通しのよい職場であることが理想的だと分かります。
➢ 年齢・役職を問わず意見を言い合える心理的安全性がある
年齢・役職を問わず意見を言い合え、かつ人の意見に耳を傾けてくれる職場は「風通しの良い職場」と呼ばれます。
上司から一方的な命令をするだけでなく、部下・後輩・アルバイト・パートからでも積極的に意見やアイディアを募り、いい意見は積極的に取り入れようとするフラットさがあります。
また、対立する意見が出たとしても嫌がらせやバッシングをされることがなく、発言することそのものを歓迎する雰囲気が構築されていることもポイントです。
心理的安全性を持ちやすく、クリエイティブかつ自発的な働きを期待できるでしょう。
生産性を上げたい企業ほど、風通しのよい職場作りが重要であることが分かります。
➢ 悩みや困りごとを拾い上げてカバーできるシステムがある
従業員の悩みを他人事として考えず、積極的に拾い上げてカバーするシステムが構築されている場合も「風通しの良い職場」として評価されやすくなります。
例えば、退職兆候やメンタルヘルス不調の兆候を敏感に察知するため、定期的な組織サーベイをしている会社であればトラブルを予防しやすくなるでしょう。
また、プライベートの悩みなど一見業務に関係のないことでも親身になって話を聞き、1on1ミーティングなどの場で解消する動きがあれば上司への信頼も厚くなります。
「困ったことがあれば相談すればいい」というオープンな心を育みやすく、従業員エンゲージメント向上につながるでしょう。
風通しの良い職場は、従業員から好かれる職場だと言えそうです。
➢ 離職率が低い(勤続年数が長い)
前述したように、従業員同士のコミュニケーションが活発で心理的安全性が高く、悩みや困りごとにも親身になってくれる風通しの良い職場であれば離職率が下がります。
年功序列型の人事評価をしていないにも関わらず勤続年数が長い人が多いのであれば、好きでその会社に勤めていることが分かるでしょう。
風通しがよく、ウェルビーイングな状態でいられるからこそ長く勤めて貢献しようという気持ちを育成できるのです。
ひとりの従業員が長く勤めてくれることは、採用コスト・育成コストを削減する観点からも大きなメリットとなります。
身につけたらスキルやノウハウをナレッジとして蓄積するためにも、風通しのよい職場にして離職率低下を狙いましょう。
【風通しの良い職場のデメリット・注意点】
風通しの良い職場には多くのメリットがありますが、一方でデメリットや注意点も存在します。
あくまでも企業の成長や業務遂行を目指すチームであることを自覚のうえ、規律ある組織としての根幹を見失わないよう対策していきましょう。
➢ メリハリがなくなって「仲良しグループ」になりやすい
組織に必要なメリハリがなくなり、学生サークルや友人同士のような「仲良しグループ」になりやすいことがデメリットです。
営業目標達成のため時には泥臭い仕事であってもコツコツこなしたり、同業他社も多く参加する熾烈なコンペのために時間も忘れて没頭したりする熱意を失ってしまう可能性があります。
風通しの良い職場を作る最終的な目標は業務パフォーマンスおよび従業員エンゲージメントの向上による企業成長であることを改めて意識し、対策していく必要があるでしょう。
馴れ合いや居心地のよさだけを求めず、締めるところはしっかり締めてチームビルディングしていくことが重要です。
➢ 何でも許されると勘違いしやすい
間違った心理的安全性が育つことで、「何をしても許される会社である」という意識が根付く可能性があります。
ビジネスシーンにそぐわない崩れた服装をしたり、相手の気持ちを考えないパワハラ・セクハラが横行したりするケースもあるでしょう。
風通しの良い職場とは、あくまでも相互コミュニケーションがしやすい職場のことです。
一方的なコミュニケーションや規律を無視した行動を許すことにはつながらないため、ルールの運用やコンプライアンス対策も同時並行で進めていきましょう。
➢ 内気な人は居心地が悪いと感じやすい
内気で対人対人コミュニケーションが苦手な人は、風通しがよくても居心地のよさを感じないケースがあります。
また、プライベートな話題に踏み込んでコミュニケーションをすることや業務時間外の飲み会に苦手意識を持つ人も増えているため、十分配慮していく必要があるでしょう。
そのため、業務中必要なものを除き、話題や時間の共有を義務化しないことが重要です。
何でも話すことを強要するのではなく、あくまでも困ったときの相談やアイディア出しがしやすい環境づくりを意識し、対策していきましょう。
【効果的に風通しの良い職場を作る方法】
最後に、効果的に風通しの良い職場を作る方法を探っていきましょう。
前述したデメリットや注意点に配慮しながら職場づくりをするために、いくつか具体的な施策をご紹介します。
➢ 定期的に社内アンケートを実施する
定期的に社内アンケートを取り、自社が抱えている問題を早期発見することがポイントです。
例えば健康に問題を抱えながら働いているプレゼンティーズムを抱えた従業員やメンタルヘルス不調を抱えている従業員が多い部署があれば、働き方やコミュニケーションに問題がありそうだと分かります。
また、モチベーションやエンゲージメントが極端に低い年代がいれば、研修やマネジメントにテコ入れが必要かもしれません。
自社に合った施策を考えるきっかけにもなりますので、定期的に組織サーベイをしていくとよいでしょう。
また、導入した施策の効果測定をするうえでも組織サーベイが便利です。
実際に風通しの良い職場になっているか数値で判断したい場合にも役立つでしょう。
➢ 直属の上司以外に相談できる機会を作る
直属の上司と1on1ミーティングなどで定期的にコミュニケーションを取る一方、それ以外の上役に相談できる機会を作ることも大切です。
人事部など会社の相談窓口をオープンにしたり重大な相談を誰にも知られずできるようコンプライアンス窓口を設置したりする方法があるでしょう。
現場からの声を直接拾い上げたいと考える経営者や、企業成長に伴って現場に目が行き届かなくなりつつある企業におすすめの方法です。
「いざというときに相談できる場所がある」ということは、従業員にとって大きな安心になります。
これも風通しの良い職場づくりの一環として有効なので、ぜひ検討していきましょう。
【まとめ】
風通しの良い職場づくりができると、従業員エンゲージメント向上だけに留まらないさまざまなメリットを受けられます。
ワークエンゲージメント自体が上がって高いパフォーマンスを発揮できたり、離職率が下がって採用・教育コストが削減できたりするでしょう。
また、斬新なアイディアが発信されることでこれまでになかった新規事業が生まれるなど、企業成長を支える底力となるケースも多いです。
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