【部下のメンタル不調は上司の責任か?】メンタルが強い部下と弱い部下?

部下のメンタル不調は上司の責任なのか?

部下によってもメンタルの強さはそれぞれで、マネジメントに苦心する上司の方々は多いでしょう。
特にネガティブ思考に陥りがちな部下については、「メンタルが弱い」という風に感じ、「上司だからといってケアしきれない」と感じるシーンもあるはずです。

しかし、職場におけるメンタルヘルス対策には、上司の協力が欠かせません。
今回は部下のメンタルヘルス向上に向け、上司ができることを探っていきましょう。

目次

「部下のメンタル不調は上司の責任」と考える人は多い

考え方は人それぞれとはいえ、「部下のメンタル不調は上司の責任」と考える人は多いです。
その理由として、上司は部下をマネジメントする義務を課せられていることが挙げられます。

厚生労働省がまとめた「労働者の心の健康の保持増進のための指針(※)」でも、上司である管理監督者が持つ安全配慮義務について触れられています。ここでは、事業者が従業員に対して負っている安全配慮義務実行責任を管理監督者(部長や課長など)が担っているという理解がされています。

部下がメンタル不調になった=上司の責任ということではないですが、部下が持つスキルを最大限業務に活かせるよう工夫するだけでなく、メンタルヘルス・健康問題・プライベートでの悩みにも気を配る役割が上司には求められています。

こうした「ラインによるケア」は部署長・チームリーダーなど直属の上司が実施するメンタルヘルス対策として注目されているため、下記でチェックしてみましょう。
(※参考:厚生労働省 独立行政法人労働者健康安全機構「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針」

上司が果たすべき「ラインによるケア」とは?

「部下のメンタル不調は上司の責任」と考える人は多い

前述の通り、厚生労働省がまとめた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では「ラインによるケア」の重要性が説かれています。ラインによるケアとは上司が実施する職場のメンタルヘルス対策であり、部下の健康維持・増進に向けた取り組みと言えるでしょう。

下記で具体的な施策を4つ紹介します。

① 部下の様子に気を配る

まず、積極的に部下の様子を気にかけることが大切です。
「いつもと違う」と感じる様子が続いたり、メンタル不調が疑われる言動・行動があった場合に早めに対処する必要があるでしょう。

「ある日突然職場にこなくなり、そのまま退職してしまった」
「メンタル不調を抱えていたとは知らず、プレッシャーを与え続けてしまった」

という後悔のないよう、日頃からアンテナを高くしておくことが肝心です。
特に下記のような様子が見られたときには、上司側から声をかけることが推奨されています。

  • 本人が体調不良や不眠を訴えている
  • 急な遅刻・早退・欠勤が増えた
  • 残業・休日出勤が増えた
  • 業務パフォーマンスが著しく下がっている
  • 身だしなみの乱れが顕著である
  • 暗い表情をするようになった
  • 挨拶やコミュニケーションに覇気がなくなった

普段の様子を知っていれば、違いに一目で気づくことができるでしょう。
「上司に相談したいけれど、プライベートなことで相談していいかわからない」と悩む部下のためにも、自ら声をかけていくことが大切です。

② 部下からの相談事に対応する

部下から相談事があったときには、親身になって対応しましょう。
どうしてもすぐに時間が取れない場合、改めて面談の時間を設けるなど対策し、決して放置しないことが重要です。

例え上司にとっては取るに足らない悩みに思われても、「話を傾聴してくれた」「しっかり時間をとってくれた」という満足感が組織全体への信頼につながります。

「悩み事があれば周りに相談する」という基盤を築くことができれば、部下自身によるセルフケアもしやすくなるでしょう。
無下にすることなく対応していくことが、ラインによるケアの第一歩です。

また、部下から相談されたからといって上司ひとりで全てを解決する必要はありません。
場合によっては産業医を紹介したり別部門のリーダーに相談したりして、ノウハウを共有してもらうことも可能です。

③ メンタル不調で休職した部下に対する復帰支援

もしメンタル不調で休職した部下がいれば、復職に向けた支援をおこないます。
一度休職してしまうと、例え体に表れる症状が寛解しても復職しづらいと思う人は多いものです。

主に下記のような心理が働いて、「復職したくてもできない状態」もしくは「復職と休職を繰り返す状態」に陥ることを知っておきましょう。

  • 「また症状が出たらどうしよう」と不安に思う気持ち
  • 「上司や同僚に迷惑がられているのでは」と人からの目を気にする気持ち
  • 「心の病気のことは誰にも理解されない」と落ち込む気持ち
  • 「ペースを下げて働きたいけど相談しづらい」と遠慮する気持ち
  • 「今度こそ絶対に成功させなければ」と無理に意気込む気持ち

まずは、上司側から希望する働き方やペースについてヒアリングしていくことをおすすめします。
自分から言い出しにくいことであっても、上司からさりげなく話題をもちかけてもらうことで口にしやすくなる効果も期待できるでしょう。

また、メンタルヘルスに関する知識が浅ければ「自分も勉強していくが困っていることがあれば何でも聞くから教えてほしい」と素直に伝えるのもひとつの手段です。
産業医による衛生講和やセミナーなどの場で知識を入れ、少しずつケアの質を高めていってもよいでしょう。

④ 職場環境の改善

部下が抱えるストレスは、必ずしもプライベートに関することだけとは限りません。
職場の環境・人間関係・業務ノルマなどが原因でプレッシャーを感じ、心が傷ついてしまう人も多いのです。

自身が監督する職場を振り返り、下記についてチェックしてみるとよいでしょう。

  • 過大あるいは過少な業務量になっていないか
  • 残業・休日出勤が常態化していないか
  • 業務内容に合わせた適切な作業スペースが用意されているか
  • 業務の役割や責任が明確か
  • キャリアアップや人事評価の基準が分かりやすいか
  • 円滑かつ風通しのよい人間関係を構築できているか
  • 上司と部下の意思疎通がしやすいか
  • 部下が意思決定に参加する機会があるか

課題がある場合は、長期的な目線で解決していくことが大切です。
また、ストレスに感じているポイントがないか部下へヒアリングを重ねてもよいでしょう。

上司が使えるメンタルヘルス対策サービス

上司が使えるメンタルヘルス対策サービス

最後に、部下のメンタルヘルス対策に際し上司が使えるツールやサービスを紹介します。

自分ひとりで全て解決しようとすると、今度は上司のストレスが溜まりかねません。
外部のサービスや効率よく管理できるツールを活用し、スピーディーな解決を試みてみましょう。

➢ EAPサービス(従業員支援プログラム)

EAP(=Employee Assistance Program)とは、「従業員支援プログラム」の総称です。

代表的なサービスとして、下記が挙げられます。

  • メンタルヘルスに関する相談窓口の設置
  • 休職社員と受け入れ先部署に対する「リワークプログラム」
  • 臨床心理士による「出張カウンセリング」
  • セルフケアのための「ストレスマネジメント研修や、上長向けの「ラインケア研修」
  • 専門家による「職場改善コンサルティング」
  • 産業医・顧問医の紹介

EAPを専門にしている企業は独自のノウハウを持っていることが多く、メンタルヘルスに関するナレッジが少ない企業でも利用しやすいことが利点です。

またパワハラなど労使トラブルに関する知見もあり、メンタルヘルス不調の責任が上司・職場にあると訴えられたときの対処法を教えてもらえる可能性もあるでしょう。
無理に自社で完結させようとせず、外部の専門家を頼ってもよさそうです。

➢ 組織サーベイツール

組織サーベイとは、アンケートのような選択式の調査を定期的に従業員に課す方法です。
エンゲージメントやモチベーションに加え、心理的安全性などを測定できるため、直接のヒアリングでは浮き彫りにならない組織と個人の健康リスクを可視化できます。

ストレスチェックのように年に1回かつ匿名で行うのではなく、実名で毎月の頻度で行うため、スムーズなケアと組織改善につながりやすいことが特徴です。

部下の不調に早期に気づき重篤化する前にケアをしたい企業や、業務パフォーマンスの最大化を図る企業の間で、利用の輪が広がっています。
また、1on1ミーティングなどを実施している企業では、面談の課題設定や効果測定など、1on1を形骸化させないために取り入れるケースが増えています。

【まとめ】

「部下のメンタル不調は上司の責任である」とする論調は多く、実際に職場でのストレスが原因でうつになったと労使裁判に至るケースも存在します。
可能な限り早めに手を打ち、メンタルヘルス対策を万全にしていくことが望ましいと言えるでしょう。

部下のメンタル不調を早期に気づきケアするためには、今回ご紹介したEAPサービス組織サーベイツールなどもご検討ください。

フェアワークでは産業医・臨床心理士をはじめとする専門家チームが、企業の健康経営推進をご支援いたします。
ストレスチェック組織サーベイの実施職場カウンセリング(EAP)まで、御社の課題についてまずはお気軽にお聞かせください。

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