燃え尽き症候群になりやすい人の特徴!回復するにはどうしたらいい?
【燃え尽き症候群とは?】
燃え尽き症候群とは、それまで十分な意欲を持っていたにも関わらず急にやる気・熱意を失ってしまうことを指します。「バーンアウト症候群」と呼ばれることもあり、急に火が消えたかのように興味を失ってしまうことからこの名がつきました。
これまで意欲を持って取り組んでいる姿を周りが知っているからこそ、急に失速した様子を見ると、「甘えている」「怠けている」「手を抜いている」と指摘されてしまうこともあります。
しかし、燃え尽き症候群は長期間ストレスに晒された結果生じる症状です。重症化・慢性化すると、下記のようにな症状や、うつ病などの精神疾患につながる可能性があることも理解し、対策が欠かせません。
- 朝起きられない・夜眠れない
- 慢性的な頭痛・腹痛・吐き気など
- アルコールやタバコの量が増える
- イライラして攻撃的になる
- 仕事以外のあらゆることにもやる気がなくなってしまう
- 何事にも無関心になる
【燃え尽き症候群になりやすい人の特徴】
ここでは、燃え尽き症候群になりやすい人の特徴を5点、ご紹介します。自分はもちろん、上司・部下・同僚など身近な人に心配な人がいないか、チェックしてみましょう。
① 手を抜くことが嫌いで真面目な人
手を抜くことが嫌いで真面目な人は、与えられた全ての仕事を100%の力でこなそうとします。常にハイパフォーマンスを発揮しようとするあまり、本人も気づかぬうちにストレスが溜まってしまいます。
自分に与えられた役割はもちろん、同僚のフォロー・後輩の教育・上司のサポートなど直接依頼されていないことにもよく気づき、自ら手を貸すタイプの人にも当てはまります。
いつの間にかストレスが増大し、その状態が続くことで燃え尽きてしまわないよう注意が必要です。
② 息抜きやストレス発散が苦手な人
息抜きやストレス発散が苦手な人も、燃え尽き症候群になりやすいタイプです。
「常に全力で頑張らなければ」という思いがあるからこそ、「息抜きしている暇はない」と感じてしまいます。また、周りから嫌われたり失望されたりするのが怖いために、息抜きの時間を取らず常に努力し続けるケースもあるでしょう。
エネルギーが継続している間は問題ありませんが、疲れた頃ふと冷静になって全てどうでもよくなってしまうことが考えられます。過去の性格とは大きく様子が変わることで、周りが困惑することも少なくありません。
③ 自責感が強い人
自責性が強い人は、ストレスをひとりで抱えてしまう可能性が高いです。同僚・家族・友人に相談してガス抜きしたりすることが苦手であり、「うまくいかないのは自分のせいだ」と考えてしまいます。
そのため「人に相談すること自体が恥ずかしい」と感じてしまい、より殻に閉じこもってしまうのです。自分ひとりの力ではどうにもならなくなり、燃え尽きてしまうことが多いでしょう。
一見すると、仕事ができて努力家なタイプが多いため、周囲がフォローしづらいタイプとも言えます。
④ 仕事とプライベートの切り替えが下手な人
仕事とプライベートの切り替えが下手な人は、仕事のストレスを家庭に持ち込んでしまうことが多いです。そのため、家族・友人とのトラブルが起きやすく、周囲に安心できる場がなくなってしまいます。
反対にプライベートでのトラブルを職場に持ち込み、「気分屋」「機嫌で仕事をする」など評価を下げてしまうこともあるのです。
また、残業・休日出勤が常態化していたり過度なノルマを課せられていたりすることが原因で、仕事以外のことを考える余裕がなくなっているタイプもここに当てはまります。長時間残業などのストレスで燃え尽き症候群になってしまう可能性を知り、職場環境を見直していきましょう。
⑤ 感情労働に従事している人
感情労働とは、業務中に自身の感情をコントロールすることが求められる職種のことを指します。
常にポジティブで明るい対応をするなど、ときには自分の感情をコントロールしてでも顧客対応せねばならないことから、「感情労働」の名がつきました。代表的な職種として、下記が挙げられます。
- 秘書・受付・窓口担当者など、会社の「顔」となる職種
- 保育士・介護士・教師など、模範的な行動が求められる職種
- 臨床心理士・ケアワーカーなど心理的ケアを仕事とする職種
- アパレル店員・ホテルマン・美容師など接客業
感情労働はストレスが多い職種としても知られており、知らず知らずのうちに燃え尽き症候群予備軍になっているケースも多いの注意が必要です。
【燃え尽き症候群から回復する方法】
最後に、燃え尽き症候群から回復する方法を紹介します。燃え尽き症候群予防策としても効果的なため、対策を検討する際にも参考にしてみましょう。
➢ 働き方を改善する
過度な残業などが原因で燃え尽き症候群となっている場合、働き方を見直すことが先決です。特に医師からうつ病や適応障害と診断が出て休職した場合、リワークプログラムなどを活用して無理のないペースで、リハビリ的に復職していくのがよいでしょう。
残業・休日出勤を免除してもらったり、部署・役職を変えてもらったり、産業医や上司と相談しながら決めていくことも大事です。
燃え尽き症候群は甘えや怠慢からくるものではなく、蓄積したストレスが原因であることを理解しておきましょう。まずはストレスの原因を少なくすることを意識していくことが大切です。
➢ セルフモニタリングをする
自らの気分や体調、考えを書き出したり、記録することで客観視するセルフモニタリングもストレス対処には有効です。セルフモニタリングは、うつ病に有効とされる認知行動療法でも採用される手法です。
会社単位で、社員のストレスマネジメントの仕組みを作っていく場合には、パルスサーベイなどのモニタリングを支援するツールが有効でしょう。
ストレスチェックとは異なり、月に1度、実名形式で体調を記録していくため、社員自らのストレスマネジメントを促すだけでなく、会社側から不調者に声掛けして、適切な支援につなげることも可能です。
➢ 事業場内産業保健スタッフの力を借りる
産業医・保健師・衛生管理者など、事業場内や事業場外の産業保健スタッフの力を借りるのもおすすめです。
自分にはない専門的な知見からアドバイスしてもらえたり、外部の医師やカウンセラーにつないでくれることも期待できます。個別のケアプランを考案したり、上司・経営層に働きかけて職場環境の改善を提案してくれることもあるでしょう。
まずは「燃え尽き症候群なんて甘えである」という意識を見直し、積極的に専門家の力を頼っていきましょう。専門家と連携すれば日頃からの予防や復職に向けた取り組みもスムーズになります。
【まとめ】
燃え尽き症候群とは、長期間ストレスに晒され続けたことが原因で現れる当然の反応です。重症化した場合、うつ病・休職・退職につながる恐れもあるため、軽く見ることなく十分な対策を試みましょう。
フェアワークでは、ストレスチェックやパルスサーベイ、不調者を早期に発見して適切な支援を届けるための相談窓口など、企業文化に合わせた効果的なメンタル不調予防策をご支援しております。
今回ご紹介した、セルフモニタリングを促すためのパルスサーベイや、専門家による相談窓口の設置などにも対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。